あなたの会社にはストーリーがあるでしょうか?
あなたの製品やサービスにはストーリーがあるでしょうか?
そして、
あなた自身にストーリーはあるでしょうか?
ストーリーは、あなたを人の心に留め、あなたを成功に導きます。この記事では、ストーリーを作るためのストーリーボードについて解説をします。
目次
ストーリーとは何か?
最初にストーリーとは何かについて考えてみたいと思います。
次の4つの文章をご覧ください。
「Gardner Rich & Co社という会社の社長は、クリス・ガードナー氏です。」
「クリス・ガードナー氏のGardner Rich & Co社は米国有数の証券会社です。」
「Gardner Rich & Co社はホームレスから再起したクリス・ガードナー氏は机ひとつで立ち上げて、大成功を収めた米国有数の証券会社です。」
「ホームレスから再起したクリス・ガードナー氏は机ひとつで立ち上げたGardner Rich & Co社は米国有数の証券会社となりました。現在は、慈善活動にも積極的に行い、多くの人から尊敬を集めています。ガードナー氏は、「ホームレスの人々は靴だけが自分の持ち物だが、ホームレス経験者である自分がそうであるように、どんな境遇の人でも、裸一貫でからでも成功できる。」と語っています。」
いかがでしょうか?
クリス・ガードナー氏の人生は映画にもなっています。
ストーリーは、
・言葉であり、
・話であり、
・筋があり、
・流れがあります。
つまり、状況や状態を示す「説明」とは違うのです。
ストーリーがあることの効果
世界で最も成功したDMと言われているウォール・ストリート・ジャーナルのDMは、
世界で最も成功したDM(和訳)
親愛なる読者様へ
25年前の春、二人の若者が同じ大学を卒業しました。この二人には、共に成績が良好で、共に人柄も良く、共に将来の夢と希望に満ち溢れているという共通点がありました。
そんな二人が25年ぶりに大学の同窓会に出席しました。25年たっても二人には共通することがありました。共に幸せな結婚をし、共に3人の子供に恵まれ、そして共に中西部にあるメーカーに就職していたのです。ところが違うことが一つだけありました。一人は小さな部署のマネージャーで、もう一人は社長になっていたのです。
・・・・・・・・・・・
という書き出しではじまります。商品は記事の説明ではなく、2人の人物によるストーリーが軸となっているのです。
DMのつづきはこちら「世界で最も大成功をしたと言われているDMから学ぶ7つのポイント」
ストーリーがあることで、
・ストーリーは人を引き込み、
・ストーリーは共感され
・ストーリーは相手の記憶に残るのです。
マーケティングにおけるストーリーとは?
では、マーケティングにおけるストーリーとは何かについて考えてみます。
マーケティングにおいてのストーリーは、「企業や商品が見込み客に提供できる未来を具体的に伝えるノンフィクション」です。
見込み客を引き込み、
見込み客に共感され、
商品やサービスを購入してもらう
という目的があります。
ストーリーのある製品とない製品
ストーリーの力を活用していると言われているのが、アップルです。ここでは、他社製品とアップルのマッキントッシュとの違いを見てみます。
続いてこちらのCM
スペックや容量は他社製品が優れていても、アップル社の製品に熱狂的なファンが多いのは、そのストーリーへの共感が要因となっていると考えられます。
ストーリーのポイント
では、ストーリーはどのように作ればいいのか?について考えてみます。
マーケティングに使うストーリーは次の3つのポイントを含んでいます。
1:お客が主人公
2:わかりやすい
3:快適な未来を連想できる
ストーリーを作成する手順
ここからはストーリーを作成する手順についてお話をします。まず、ストーリーの構成要素を洗い出します。
ストーリーの構成要素は、次の5つになります。
1:主人公はどんな人か?
典型的な見込み客を設定します。見込み客の設定を「ペルソナの設定」と言います。ペルソナの設定方法は、こちらの記事を参考にしてください。
マックのCMの場合、
「パソコン操作が苦手なホワイトカラーのビジネスマン」
2:主人公は何を求めているのか?
見込み客はどんな願望を持っているのかをリサーチします。
マックのCMの場合、
「スイスイとパソコン操作がしたい」
3:主人公が遭遇している問題は?
願望を達成するために、どんな問題があるのかをリサーチします。
マックのCMの場合、
「パソコンの操作が難しい」
4:メンターとしてのあなたのポジションは?
主人公が抱えている問題を解消し、願望を達成できるという自社の信頼性について考えます。
マックのCMの場合、
「シンプルな操作、動画編集、音楽の格納など、多彩な機能を搭載しており、使いやすく、処理速度も速い」
5:主人公の未来は?
製品やサービスを活用した後、主人公に訪れる未来について考えます。
マックのCMの場合、
「有能なビジネスマンになる」
マーケティングに使えるストーリーボード
最後にマーケティングに使えるストーリーボードについてお話をします。ストーリーボードとは、話の展開(つまり筋)のことです。
最も有名なストーリーボードは、ジョセフ・キャンベルという神話学者が神話の研究から導き出した「ヒーローズジャーニー」と呼ばれるものです。
ヒーローズジャーニーの流れは次のようになります。
未熟な主人公
↓
困難な課題にぶち当たる
↓
導き手(メンターの登場)
↓
計画(目的の明確化)
↓
旅立ち(実践)
↓
失敗(葛藤)
↓
成功
いかがでしょう?
映画やドラマの多くのストーリーがこの通りになっていることに気づかれたと思います。人が共感するストーリーには、流れがあるのです。その流れは7つの要素で構成されています。
このストーリーボードを分解して、マーケティングに再構成する方法は、
1:主人公の設定→ペルソナの設定
2:困難な課題にぶち当たる→ペルソナの悩み
3:導き手(メンターの登場)→御社の信頼性
4:計画(目的の明確化)→商品の機能や品質
5:旅立ち(実践)→購入のハードルを下げる
6:失敗(葛藤)→既存客の声で打ち消す
7:成功→製品やサービスを受けた後の状態
マーケティングのストーリーは、この7つを分解し、再構成することで作成することができます。すでに、優れたストーリーがあるので、リバースエンジニアリングをすることで、誰でも自社や自分のストーリーを作ることができます。
例えば、ダイエットのサプリメントを販売する場合、
この5年で10キロ太った53歳の女性は、以前にスタイルに戻りたいと思いつつ、甘いものがやめられず、何度もダイエットに失敗しました。しかし、(製品)は脂肪分を(数字)カットするので、飲むだけで半年でスタイルが戻りました。スタイルが戻った女性は、若さと共に自信に満ち溢れた人生を歩みました。今なら、(製品)が(条件)でお試しいただくことができます。
というストーリーになります。
このようにストーリーボードを使って、自社のストーリーを作り、セールストークや広告に使ってください。
まとめ
この記事では、マーケティングに活用するストーリーボードについて解説をしてきました。優れたストーリーには、優れたストーリーボードがあります。独自で創作をする前に、成功しているストーリーボードを使って、自社のストーリーを作ることをお勧めします。