問題解決方法を学んでも、問題が解決しない5つの理由

 

 

 

 

ビジネスマンに必要とされるスキルのひとつに「問題解決力」があります。変化の激しい時代ですから、私たちを取り巻く状況もどんどん変わっていきます。昨日までの正解が、今日には正確でなくなることもあります。問題の解決方法が多様になっていると言えます。

そのような時代に、私たちは、「問題解決」をどう捉えればいいのでしょうか?

 

知識だけでは足りないこともあります。例えば、「マーケティングとは何か?」という問いに対して、「市場を作ること」というような学問的な知識だけでは、解決に至りません。論理的な思考だけでも不十分です。問題を発見し、現状を分析し、実行して、評価をするというステップを知っていても、問題の定義を間違っていたり、分析に思い込みが混じっていたら、期待通りの問題解決にはなりません。

 

その証拠に、高度な社員教育を受けているはずの企業でも問題が起こり、解決策の誤りにより、問題を大きくしてしまうことも珍しくありません。

 

なぜ、問題解決方法を学んでも問題が解決しないのか?

 

 

 

問題とは?

 

そもそも、問題とはなんでしょうか?私たちは、子供の頃からテストなどで問題を出されて、あらかじめ決まった正解を答える習慣が身についてしまっています。ですから、ビジネスや人生の問題にも決まった正解があると錯覚しがちです。ビジネスにおける問題とは、他社から発問されるものではなく、自らが見つけ出すか、設定をする必要があるのです。

 

問題の構造は次の2つになります。

 

1:対立

2:障害

 

対立とは、AとBの利害が相反し、争い事になることです。争いが激しくなるほど、問題が大きくなっていると言えます。

 

 

障害とは、現状からありたい状態との間にある妨げのことを言います。

 

 

障害はひとつとは限りません。複数の障害がある場合は、問題も複雑化していると言えます。

 

 

 

 

次に、問題を種類に分類すると、次の3つになります

 

A:顕在化している問題

問題が問題であると認識できている場合です。この場合は、解決方法を間違わなければ、比較的早く問題を解決することができます。

 

B:潜在的な問題

問題が問題であると認識されていない場合です。たとえば、よく遅刻をする社員がいて、その社員が夜更かしをしていたとします。夜更かしをするから朝が起きられないというのは顕在化した問題ですが、その社員が精神疾患を抱えており、不眠症に陥っていることを周囲が気づかない場合、問題は潜在化していると言えます。

 

C:自ら設定する問題

理想の状態に向かって、妨げを取り除こうとする場合は、自ら問題を設定することになります。

 

 

 

問題は掛け算で作る

問題とは、構造×種類で考えることが重要です。ここを見落とせば、問題の本質を見失うので、誤った解決策を講じてしまいます。

 

 

 

ほとんどの場合、顕在化している問題しか、問題として捉えられません。

たとえば、AさんとBさんの対立が顕在化している場合、この問題は顕在化しています。ですから、仲介をするなどで仲直りをさせることができれば、問題は解決です。しかし、Aさんが怒っている原因が、BさんとCさんが懇意にしていることに原因があるなら、A B間だけでは問題を解決することはできません。

 

こうした場合、問題解決方法を学んでも、問題を解決することができません。理由は、問題そのものが間違っているからです。顕在化している問題の裏にはほぼ確実に潜在的な問題が隠れています。

 

 

 

問題と課題

 

問題とは、理想的な状態に対して、障害となっている事象のことを言います。

課題は、問題と認知されている障害を取り除いて、理想的な状態に導くアクションのことです。言い方を変えれば、課題とは解決方法だと言えます。

ですから、問題解決と課題解決を混同してしまうと、問題そのものが曖昧になってしまいます。

 

 

 

 

問題が解決しない理由1:問題の根本が違っている

 

問題が解決しない理由は、問題の根本が違っているということです。たとえば、売上が下がっているという問題があるとします。原因は営業マンが目標を達成しないからと考えることができます。ここで、営業マンに厳しくしても、売上が上がらないことが少なくありません。営業マンが売れない理由が、価格が高いということだとしたら、製造工程にも問題があることになります。

顕在化している問題の下には、潜在的な問題があるので、「なぜ」を繰り返し、問題の根本を見極めることが大切です。

 

 

 

問題が解決しない理由2:相手を問題と捉えてしまう

 

売上が上がらない理由を、営業マンの頑張りが足りないとしてしまうと、営業マン以外は当事者でなくなってしまいます。

起こっている問題の当事者を自分以外にして段階で、自分では解決を放棄していることになります。問題はわかっているのに、解決ができない理由は、部外者が多くなっているためです。

 

 

問題が解決しない理由3:ゴール設定がなされていない

 

問題に対処する際、問題が解決したと言えるゴール設定をすることが大切です。たとえば、売上を上げるために、営業マンが新規開拓を積極的に行い、微増したとします。それでも、収益が出る状態に至らないとしたら、問題が解決したことにはなりません。クレームも同様で、処理をすればいいというものではなく、クレームが出ない状態を設定し、実践していくことで、問題を解決したことになります。

 

 

問題が解決しない理由4:解決策が曖昧

 

問題に対する解決策が曖昧な場合も、問題が解決しない原因になります。たとえば、「がんばる」「気をつける」「注意する」というのは、曖昧すぎます。解決策は具体的であることが重要です。要は、がんばらずに、注意が散漫でも仕事が動く仕組みが理想と言えます。

 

 

問題が解決しない理由5:続かない

 

具体的な解決策を設定しても、問題が解決するまで継続をしなければ、頓挫してしまいます。しかし、日常業務が忙しい場合、解決策の実行が後回しになることがあります。

後回しにしたことはどんどん後回しになります。

 

 

 

重要なことは問題の特定

 

問題解決において、最も重要なことは、問題の特定です。顕在化している問題の奥には、潜在的な問題があります。ですから、「なぜ、この問題が起こっているのか?」と深掘りしてください。

 

 

まとめ

 

この記事では、問題があるのに問題が解決しない理由について考えてきました。問題が解決しない理由は、問題の本質を間違っていることと実行の手順が具体的でないことが考えられます。問題と課題を混同せずに、問題が解決しない落とし穴に落ちないようにしてください。

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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