俯瞰力とはなにか?/俯瞰力を身につけるための3つの流儀

 

 

 

物事を理解したり、これまでとは違う解決方法を見出そうとする時、「全体像を捉えよう」と言われることがあります。

 

全体像を捉えるものの見方を俯瞰と言います。俯瞰とは、鳥目とも言われて、高い位置から下を見下ろして全体像を把握する方法して例えられます。しかし、実際に、人間が上空に上がるわけにはいきません。

 

では、どのように俯瞰力を身につければいいのでしょうか?

 

この記事では、俯瞰力を身につける方法をお伝えします。

 

 

 

俯瞰とは?

最初に、俯瞰について考えてみます。

 

俯瞰とは、

 

1:高いところから下を見下ろすこと

2:広い視野を持つこと

3:客観的に物事を見ること

 

という視点を言います。

 

 

確かに上から見れば全体を見渡すことができます。

 

 

 

全体を俯瞰して見るとはどういうことか?

俯瞰は鳥目とも言われます。確かに、上から見れば見渡せる範囲が広がります。

 

ここで問題なのは、どんなに上空に行っても、全体を見渡すことはできないということです。仮に宇宙から見ても、地球の全体を見渡すことができません。地球の裏側は見えません。

 

また、宇宙から地球を見ても、あまりに全体すぎて、地球を理解することはできません。地球を俯瞰しても、地球で何が起きているのかはわかりません。

 

つまり、視点を上昇させても、すべてを俯瞰することはできないということです。俯瞰が有効なのは、全体を把握してから、部分を見るという場合です。

 

どこまで俯瞰しても全体を把握することはできないということは、広い視野には限界があるということです。

 

次に、客観的に見るということにも落とし穴があります。人は本質的に客観的に物事を判断することはできないからです。「客観的に見て・・・」と話す場合の多くは自分の主観が含まれています。それでも「客観的に」と言えるのは、多くの人が自分と同じ意見だろうと想像しているからです。

 

本来に客観的とは、物事を合理的に判断することなので、Aiにしかできません。人間にできるのは、「自分の判断が絶対ではない」と知ることです。

 

 

 

俯瞰力とは?

視覚的にモノの全体を捉えることができないことと同様に、コトにおいても全体を捉えることは容易ではありません。

 

例えば、考え方や行動が理解できない人がいます。「なぜ、そんなことをするのだろう?」と自分の視点からだけ見ていると、相手の考え方や行動を理解することはできません。

 

上手くいかなかったことも、同じ方式を採用すれば、上手くいかないという結果が出る可能性が高くなります。この時に、「なぜ、上手くいかないのだろう?」と考えても、上手く行く方式を見いだすことができないことがしばしばです。

 

アインシュタインは、「いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできません。」と語っています。

 

自分の考えと相手の考えを俯瞰して捉えることで、違いを理解することができます。また、自分と他者という存在が置かれている場を捉えることで、物事の全体像が見えやすくなります。俯瞰力とは、俯瞰的な視点を活用した思考法のことを言います。

 

 

 

世界の全体を捉えることはできない

しかし、残念ながら、私たちが物事の全体像を捉えることは容易ではありません。

 

哲学者のマルクス・ガブリエルは、「なぜ、世界は存在しないのか?」の中で、世界の認識方法について言及しています。

 

私が見ている世界

あなたが見ている世界

 

私にとっての事実

あなたにとっての事実

 

これらは、特定に世界を対象としても、認識が違います。

 

ある人にとって世界は平和として捉えられたとしても、ある人にとっては、格差と差別と退廃した社会と捉えられるかもしれません。

 

つまり、世界は地球や宇宙として物理的に存在し、世界観という意識の中にも存在するのですが、誰にも完璧な全体像として捉えることはできないのです。

 

いわゆるソクラテスの言う「無知の知」に近い考えですが、世界の存在を捉えることができないと言うことが俯瞰力の出発点となります。

 

 

 

世界はなんでできているか?

世界は存在していないけど、存在している。

 

地球という惑星の全体を捉えることはできる。しかし、世界の全体を捉えることはできない。それでも、世界は存在している。

 

これをどう捉えるかが俯瞰力になると思います。

 

世界を捉えるためには、世界がどのように成り立っているかを考える必要があります。

 

世界はなんでできているか。

 

海と地上と空気という考え方もあります。

 

また、ある哲学者、「世界は言葉でできている」と言います。言語化することで対象を捉えることができます。

 

しかし、世界の中には、言葉にできない経験というものがあります。愛や怒りなどは、そのものを言葉で捉えることができないことがあります。これは、語彙力が不足しているだけではありません。

 

人間は、言葉を交わさなくても感じることがあります。

 

絵画

音楽

料理

 

などは、言葉を介さなくても世界を作ります。そう考えれば、世界は言葉以上のものでできていると言えます。

 

俯瞰力で抽象度を上げて、「言葉とは何か?」と考えた場合、言葉とは「情報」です。絵画、音楽、料理も情報と言えます。そう考えれば、世界は情報でできていると言えそうです。

 

 

 

世界は形と意味でできている

世界は情報でできている。

さらに、俯瞰的に抽象度を上げてみた時、情報によってもたらされるものは何かという問いが浮かびます。

 

例えば「1」という情報があります。この情報からもたらされる意味は、「最高順位」「最下位」「孤独」など、人によって違います。もちろん、すべては正解です。

 

逆に、「好成績」という情報からは、「1(金メダル)」に限らず、「2(銀メダル)」「3(銅メダル)」と意味する人がいるかもしれません。

 

つまり、情報とは、形と意味でできていると言えます。かつ、その意味は、人によって違います。ですから、世界とは人それぞれの形と意味によってできていると言えるのです。

 

俯瞰力とは、人によって違う意味の場を認知することだと言えます。

 

 

 

俯瞰力とは、メタ認知力

世界が形と意味でできているとしたら、人によって世界の捉え方が違うのは当たり前です。ですから、世界とは形と人が意味づけをする数だけ存在するということになります。

 

これが認識の違いを生む原因です。宗教における争いも、同じ対象を信仰しているにも関わらず、意味の違いが原因で生まれます。

 

このような認識の違いをすり合わせる時に、メタ認知という概念が用いられます。

 

メタ認知のメタとは、「高次の」と訳されます。つまり、「高次の認知」という意味で、「認知していることを認知する」ということになります。

 

例えば、怒りで感情的になっている自分を認知することで、怒りの感情を抑えることができます。

 

俯瞰力とメタ認知は同義語として捉えてもよいでしょう。

 

物事の捉え方は人によって意味が違います。俯瞰力とはより多くの形と意味を捉えることだと言えます。これまで想定していない意味を捉えることで、問題解決のきっかけとなることがあります。

 

 

 

 

俯瞰力で空気を読む

俯瞰力があれば空気を読むこともできます。空気を読むとは、場の支配者と被支配者の関係性の中で自分がどう振る舞えばいいのかを判断する力のことです。

 

・他人の視線が気になる

・変なことを言ってはまずいと考えて物が言えない

 

というような状態も空気を読むと言われることがあります。しかし、この状態は自分に目が向いているだけなので、俯瞰力があるとは言えません。

 

自分が思うほど、人は自分を意識していないことが多く、黙っていることで場の雰囲気を崩しているなら、空気を読めているとは言えません。多くの場合、自意識過剰だと言えそうです。

 

 

 

俯瞰力を養う3つの流儀

では、俯瞰力はどのように養えばいいのでしょうか?

 

3つの流儀を考えてみました。

 

1:疑う

 

世の中で常識だと言われていることや、これまでの方法論を疑ってみるということです。他の考え方はないか、他の方法はないか、他に意味の取り方はないかなど、物事に疑いの目を向けることで俯瞰力は養われます。注意が必要なのは、疑いとは、否定ではないということです。

 

 

2:主体を客体化する

 

物事を客観的に見る意味は、人ではなく、自分を客観視することで有効に働きます。自分をいう主体と客体化(対象とする)ことで、客観性が生まれます。この時生まれる客観性が俯瞰力だと言えます。

 

 

3:より多くの「意味」を察する

 

世界は、人ぞれぞれの意味でできているので、自分以外の意味を認知することができれば俯瞰力が上がったと言えます。

 

 

 

俯瞰力がない状態

俯瞰力は意識することで身に付けることができます。しかし、俯瞰力を身につけても、俯瞰力は常に機能するものでなく、精神状態や状況によっては俯瞰力を失くしてしまうこともあります。

 

俯瞰力がない状態とは、

 

1:思考停止

 

いわゆるパニックになる状態のことです。頭が真っ白になるというのは思考が停止しています。思考停止とは、かつて直面したことのない場面に遭遇したり、過去のデータベースから解決策が引き出せない時に起こります。こうした状況こそ、俯瞰力で解消することができます。

 

 

2:自分本位

 

自分が正しいと思いこむと、他人の意味を読み取れなくなります。「意味がわからん」と感じる時は、相手ではなく自分に問題があるかもしれません。意味がわからないところに、相手の意味があり、意味がわからないのは、相手の問題ではなく、こちらの受け取り不足だと思えば、意味を見出すきっかけになります。

 

 

3:感情的

 

怒ったり、悲しんだり、興奮している状態は俯瞰力をなくします。「感情的になっている自分」を認知することで、俯瞰力を回復させることができます。

 

 

4:客体を主体化してしまう

 

心理学やコーチングなど、人の内面について学んだ人が陥るのは、客体を主体化してしまうということです。相手を分析し、「こんな人だろう」とラベルを貼るということは、相手の意味ではなく、自分の意味の中に相手を入れ込んでいるということです。相手を自分の基準で評価しているにすぎません。

 

 

 

俯瞰力を仕事に活かす方法

俯瞰力は、どのように活かすことができるのでしょうか。ここでは、俯瞰力によって仕事がどうなるのかを考えてみます。

 

1:自分がわかる

 

自分を客観視することで、置かれている状況を好転させることができます。

 

例えば、会社で評価が低いと感じる場合、

 

・評価基準

・評価者

・評価されている人の行動

 

を俯瞰して見ることで、評価される方法がわかります。

 

 

2:コミュニケーション力が上がる

 

相手の意味を感じる取ることで、コミュニケーションが円滑になります。自分本位に物事を見なくなれば、イライラすることも少なくなります。

 

 

3:営業力

 

商品やサービスを売り込むだけでなく、自分と商品とお客さんとお客さんの意味を俯瞰することで、何を伝えればいいのかが見えてきます。

 

 

4:戦略構築

 

勝つための戦略は、自分と相手と環境を知ることです。孫子の兵法でいう「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を実践することができます。

 

 

5:目標達成

 

目標を達成したい時、目標地点と現在地を俯瞰することで、道筋を想定することができます。そうすれば、後は道筋に従って行動をするだけです。

 

 

 

まとめ

この記事では、俯瞰力とは何かと俯瞰力を身につけるために必要な流儀について解説しました。俯瞰力とは、仕事はもちろん、人生を好転させる視点です。しかし、俯瞰力があると勘違いすることもあるので、注意が必要です。また、常に意識をしていないと俯瞰力をなくしてしまうので、俯瞰力とは、終わりのない訓練をするということになります。

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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