御社の営業マンは積極的に新規開拓をしているでしょうか?
営業マンが積極的に新規開拓をしている会社は多くありません。経営者が新規開拓の指示を出して動きますが、口うるさく言わなければ新規開拓をしなくなります。
新規開拓をせず、既存客の売上に頼っていれば、会社の売上は下降していきます。運よく発注量が増えれば、競合が参入してきて価格競争になります。以前のように黙っていても発注をしてくれるお得意先が減っている昨今、営業マンにどのように新規開拓をさせればいいのか。
この記事では、新規開拓が習慣化していない会社での新規開拓のやり方についてお話をします。
目次
なぜ、営業マンは新規開拓をしないのか?
歩合制の会社では営業マンは積極的に営業活動をします。成果が自分に跳ね返るので、やる気も出ます。
一方で、ルート営業をメインとしている会社の営業マンは新規開拓に行きたがりません。
なぜでしょう?
答えは、新規開拓の方が難しいからです。しかも、注文が取れるかどうかもわからないので、苦労が多くて成果が不確定だからです。
・人は変化を嫌う
・慣れたことをしたがる
という人間の根本的な行動様式に照らしても、既存客のフォローをしておくのが楽というのは当然の行動パターンです。
営業マンが最も新規開拓を嫌がる理由は、
拒絶されるからです。
特に、飛び込み訪問やアポイント電話は、ほとんどが拒絶されるため、大きなストレスとなります。こうしたストレスに耐えることができる人は少数です。ストレスを上回る報酬があるか、強い強制力を発動させなければ、ストレスに耐えて新規開拓をする営業マンはいないと考える方が賢明です。
新規開拓で成果を出せない理由
営業マンのお尻を叩いて新規開拓に行かせても、様々な言い訳を駆使して新規開拓から逃げます。また、会社の運営自体が新規開拓に行かなくてもいい仕組みで回っていることもあります。
この項では、営業マンが新規開拓から逃げる理由を紹介します。
1:忙しい(と思っている)
受注処理を営業マンに任せている会社では、仕事のほとんどの時間を事務作業に使っています。それで忙しいと思っているので、そもそも時間的に新規開拓に行くことができないと思っています。
2:目標を達成しなくても許される雰囲気
営業マンに設定された目標を達成することができなくても、特に責められる雰囲気がない会社では、「まぁ、いいか」で済まされてしまいます。また、目標自体も前年比に一定のパーセンテージを上乗せするなど、根拠に乏しい場合、そもそもが営業マンは数字にコミットすらしていません。
3:目標を達成しても、評価がされない
目標を達成しても、昇給や昇格がない場合は、営業マンのやる気を上げることはできません。人は短期の報酬には積極的になりますが、長期の成果に関しては、積極的になれない傾向があります。
4:売りがない
自社に強みとなる売りがない場合、営業マンは価格以外の武器を持っていません。価格は、魅力的なようで、予算範囲で発注をしている企業にとっては、業者を変えるきっかけにはできません。
5:プレゼン下手
セールスの教育を受けていない営業マンは、プレゼンが下手だと言えます。お客のニーズをヒアリングする前に、自社のアピールをしてしまっています。結果、お客の関心を引くことができず、「考えておきます。」とお茶を濁されてしまいます。
新規開拓に行っても、ストレスが溜まるし、結果が出そうにない。かつ、評価もされない。新規開拓をしなくても既存客から注文があるので、仕事をしているように見える。このように営業マンは、新規開拓をしなくてもいい仕事を見つけるのです。
営業マンに新規開拓をやらせる方法
ここからは営業マンに新規開拓をやらせる方法を考えてみます。
1:短期のインセンティブ
がんばれば評価すると言っても人は行動をしません。人を行動させようと思うなら、短期(短いほどいい)でのインセンティブが効果的です。
参考記事
「行動分析学で社員の行動量をアップさせる2つの方法」
2:強引な管理
社長がやるか、鬼軍曹のような管理者を配置して、恐怖で営業マンを動かします。社内にいることを禁止し、外に活かせる。そして、小まめに報告をさせます。
ただし、1と2をセットにしなければ、退職者が相次ぎます。
3:新規開拓に面白みを見出す
おすすめするのは、新規開拓を誇りのある仕事だと認識させることです。売上を上げることで、結果を出す喜びを味わわせることです。
新規開拓には2つの側面があります。
A:他社の仕事を奪う
他社の営業マンよりも能力が高い証拠となります。
B:新しい市場を作る
お客様に新しい可能性を見出させたということです。
どちらかに面白味を見出した営業マンは自発的に仕事をするようになります。
新規開拓の3つの方法
ここまで営業マンを使った新規開拓の方法をお伝えしてきました。ここからは、新規開拓の方法論について考えて見ます。
1:行く
こちらからアプローチをして、訪問するスタイルの営業です。成果が出るまでの時間は短いですが、ハズレもあります。また、営業マンの能力によって、成果に大きな差が出ます。
・飛び込み訪問
・アポイント電話
・メール
・DM
2:来てもらう
お客様からの問合せを取る営業方法です。広告と展示会以外は即効性がないので、成果が出るまでの時間を見ておく必要があります。また、専門性の高いマーケティング方法でのあるので、社内に専門部署を置く方がいいでしょう。
・自社ホームページ
・コンテンツマーケティング
・広告
・展示会
3:紹介
お客さんにお客さんを紹介してもらう営業です。仕組み化することで確実性が高まります。
・コミュニティづくり
・紹介報酬
・紹介キャンペーン
確実に成果の上がる新規開拓
ここまではアプローチの方法について考えてきました。しかし、根本的な「営業方法」を共有しておかないとアプローチが全て無駄になります。
共有している点とは、
A:何を売るのか?
コンセプトのことを言います。印刷会社の場合、印刷を請け負うのではなく、印刷物を作成することによる「効果」を売るということです。チラシの印刷であれば、「レスポンス率のアップ」を提案するということです。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
B:どこに売るのか?
自社の製品やサービスを欲している人はどこにいるのかを考えます。チラシであれば、大量に印刷をしている通販会社を狙うのか、チラシ作成の知識がない商店を狙うのかで戦略が違ってきます。
C:どう売るのか?
これはプレゼンテーションの方法となります。プレゼンのツールやストーリーを共有することで、誰でも成果が出やすくなります。
アポを取ってあげる
ここまで新規開拓の方法論について考えてきましたが、最終的にぶち当たる壁は、営業マンが活動をしないという点となります。
すでにお話をしたように、とにかく新規客へのコンタクト行動を拒みます。新規開拓をしない理由は、拒否されることへのストレスです。
しかし、アポイントを取ってあげれば、訪問はするというのも営業マンの特徴です。
営業マンの尻を叩くよりも、アポイントを取る仕組みを構築することで、営業を仕組み化することもできます。
短期で結果を出しやすいのは、テレアポ会社にアウトソースすることです。彼らは、電話をかけることへのストレスに強いので、確実に件数をこなしてくれます。
テレアポ会社の使い方はこちらの記事を参考にしてください。
新規アポイントの優良なテレアポ会社を見分ける6つのポイント
まとめ
この記事では、営業マンが新規開拓をしない理由と新規開拓の方法について考えてきました。ほとんどの会社では、営業マンを新規開拓に機能させることができず、既存客からの受注だけを頼りに、売上を減少させています。だからこそ、新規開拓を仕組み化すれば勝ちやすい組織を作ることができるのです。