売上が低迷した時、営業マンに新規開拓を任せても、営業活動をしないことが少なくありません。特に、ルートセールスを基本としている業種では、飛び込み訪問や電話営業を嫌う営業マンが多い傾向にあります。
成長産業にいない限り、既存のルートセールスだけでは売上は目減りします。しかし、営業マンの新規開拓が仕組み化していない会社では、営業マンは新規開拓に動きません。そんな時に、営業の武器になるのはテレアポ会社を使うことです。この記事では、効果の高いテレアポ会社の見分け方と依頼の方法について考えます。
目次
なぜ、営業マンは新規開拓をしないのか?
営業マンが新規開拓をしない理由は、心理学的にも説明ができます。
私たちには、コンフォートゾーンというものがあります。コンフォートゾーンとは、日本語だと「安全領域」とか「快適領域」と訳され、ストレスや恐れ、不安を感じることがなく安心して過ごせる環境のことです。
コンフォートゾーンに対する意識が強いほど、
・人は変化を嫌う
・慣れたことをしたがる
となります。
新規開拓よりも、既存客のフォローをしておくのが楽というのは当然の行動パターンです。
また、営業マンが最も新規開拓を嫌がる理由は、
拒絶されるからです。
特に、飛び込み訪問やアポイント電話は、ほとんどが拒絶されるため、大きなストレスとなります。こうしたストレスに耐えることができる人は少数です。ストレスを上回る報酬があるか、強い強制力を発動させなければ、ストレスに耐えて新規開拓をする営業マンはいないと考える方が賢明です。
なぜ、人は拒絶を嫌うのか?
電話のアポイントを断られるのは、「商品やサービスを必要としない」または「電話によるアポイントを受け付けていない」ということなので、相手は営業マン自体を否定しているわけではありません。
それでも、断りにダメージを受けてしまうのは、人が社会的動物であることに起因していると思います。
社会的動物においては、集団から拒絶されることは、社会からはみ出すこと、つまり、死を連想します。
犬に吠えられても傷つく人は少ないですが、人にダメ出しされると傷つきます。犬も人間も同じ動物という視点で見た場合、同じ拒絶なのですが、ダメージは違います。
既存客から注文を受けるだけのコンフォートゾーンに留まることで、拒絶されることはありません。
新規開拓はルートセールスよりも難しい
営業スキルを見ても、新規開拓は、ルートセールスよりも難しいと言えます。
理由は次の3つになります。
1:望まれていない相手に話をしなければならない
お客の方も何らかの理由はない場合は、既存の営業マンに発注する方が楽です。営業されることを望んでいる人は少ないので、話を聞いてもらうまでのセッティングが難しいと言えます。
2:知らない人に自社と自分を認識してもらう
初回の面談は、お客さんにとって、営業マンは「あんた誰?」という状態です。また、よほどのメリットがなければ断るつもりでいるので、ビジネスの土台に乗せるまでが簡単ではありません。
3:発注を受けている既存営業マンを上回らないといけない
お客さんと親しく話をすることができても、すでに購入をしている他社の営業マンを上回ることができなければ仕事を取ることはできません。
このように3つの難しさがありますが、最も難しいのは、アポイントを取り、商談の場を設定することになります。
アポイントを取ってやればいい
アポイントを取るのが難しいなら、会社がアポイントを取るしかありません。アポイントを取れば、ルートセールスの営業マンでも商談に行きます。
アポイントを取るために、手っ取り早い方法はテレアポ専門会社に依頼して、アポイント電話をしてもらうことです。
次に、優秀なテレアポ会社を見分けるポイントをお話しします。
優良なテレアポ会社の見分け方
リストの質にもよりますが、テレアポでアポイントに成功する確率は、3〜8%です。1%の違いが売上に直結するので、テレアポ会社は慎重に選びたいものです。
1:料金
テレアポ会社の費用は、初期費用が0円〜5万円ほど。電話の費用が250円〜500円ほどになります。安い方がいいに越したことはありませんが、最低のリスト数を指定してくる会社もあります。リスト数が足りない場合、無理にリストの数を増やせば、無駄撃ちが増えます。
リスト数が少ない場合やテストをしたい場合は、少ない件数でも対応してくれる会社がよいでしょう。
2:どんな人が電話をしているのか
実際に電話をしているのは、アルバイトであることはほとんどです。また、複数日程に渡る場合、電話をする人が変わると毎回コツをつかむまでの試運転が必要になります。同じ人が電話をしてくれる会社がよいでしょう。また、経験上、女性が電話をする方がアポイント率が高い傾向があります。
3:スクリプトの提案
トークスプリプトの提案をしてくれるかどうかも大切です。こちらが渡したスクリプト通りに電話をして終わりでは、効果がないこともあります。
4:音声の開示
実際にどのような電話をしているのか、録音をして音声を聞かせてくれる会社だと、途中での改善もしやすくなります。
5:不在電話の対応
価格が安い会社の場合、不在の時に繰り返し電話がないことがあります。何回まで不在の対応をしてくれるのかを確認しておくといいでしょう。経験上ですが、3回コールをすれば、8割以上は断りかアポイントのジャッジができます。1回コールの場合、6割以上が不在となり、全く効果がないこともあります。
6:改善提案
アポイント率が悪い場合や、想定と違う場合は速やかに連絡をくれて、改善の提案がある会社がいいと言えます。
テレアポの目的はアポイントです。電話をするという作業だけをする会社は避けた方がいいでしょう。
テレアポ会社に依頼する5つの手順
ここからは、どのようにテレアポ会社に依頼すればいいのかをお話しします。
1:営業マンと面談
インターネットでテレアポ会社を検索します。その上で営業マンと打合せができる会社を選びます。チェックポイントは、営業マンがテレアポの知識を持っているかどうかです。
2:リスト購入
アポイント率はリストによって大きく違ってきます。一般的なリスト販売会社はインターネットからリストを作成します。帝国データバンクや東京商工リサーチのデータをおすすめします。業種だけでなく、財務状況や経営者の年齢、取引先などでも区分をしてリストを入手することでアポイント率が上がります。
3:スクリプト
スクリプトは、紹介したい商品やサービスが端的にわかるように組み立てます。基本的にこちらで作成しますが、テレアポ会社の提案も聞いてください。
4:実施
日時を決めて実施します。毎日の電話件数とテレアポの結果を確認します。
5:改善
アポイント率が5%以下の場合は、スクリプトを改善します。その際、どこで躓いているのかを確認します。
・受付が突破できない
・担当者につながるがアポにつながらない
どちらかで改善方法が違います。
当社でアポイント率10%を突破した方法
最後に、弊社でアポイント率10%を突破した方法をお伝えします。実際の商品は守秘義務があるためお伝えできませんが、方法論をお話しします。
1:リスト購入
業種ではなく、特定の取引形態のある会社をリストアップしました。リストは帝国データから購入をしました。
2:商品でなく、お客さんの悩みにフォーカスする
受付で電話に出る人は、電話番なので詳しい説明は不要です。商品やサービス名を告げて担当者に繋いでもらいます。
担当者に繋がれば、「・・・・でお困りではないですか?」と質問し、「現在、無料でサンプルをお試しいただいています。お送りしてもよろしいですか?」と売り込みではなく、サンプル送付許可を取ります。
3:サンプルを送付する
サンプルは、
・サンプル
・セールスレター
・パンフレット
で構成し、封筒には「お取り寄せいただいたサンプル在中」と赤字で印刷をしておきます。
弊社の場合、サンプル送付許可が30%となりました。
4:サンプル送付後に、アポイントの電話をする
サンプルが届いた頃に、「さらに詳しい説明に伺いたいのですが」とアポイントの電話を入れます。担当者の名前がわかっているので電話はスムーズに繋がりますし、セールスレターを読んだ後なので、アポイントも取りやすくなります。結果、アポイント率は10%を突破しました。
テレアポもツーステップが効果的です。
まとめ
この記事では、テレアポ会社の見極め方とアポイント率をあげる手順についてご説明しました。営業マンがテレアポをしない場合は、テレアポ会社に依頼することをおすすめします。ただし、テレアポ会社によってレベルに違いがあり、サービスも違います。テレアポ会社に任せきりにするのではなく、アポイントを取るために上手にテレアポ会社を使ってください。