顧客志向を実現するブーメランの法則を実践する6つのポイント

 

 

「仕事も、人生も投げかけたものが返ってくる。投げかけないものは返ってこない。」

人生で起こることのすべては、自分の思考や行動が戻ってくるという法則をブーメランの法則と言います。

では、ビジネスではどうなのか?

会社としての考え方と行動が業績に跳ね返ります。

この記事では、ブーメランの法則をビジネスに活かす方法を考えます。

 

 

 

ビジネスにおけるブーメランの法則とは?

ビジネスシーンにおいてもブーメランの法則を活用している企業はあります。

ビジネスにおいてのブーメランの法則とは、お客さんに何度も買っていただくことと考えることができます。

こうした本もあります。

 

 

ブーメランの法則はアイルランドのスーパー・クインの経営者ファーガル・クイン氏の著書で紹介されています。実は、スーパー・クインはその後に倒産しているのですが、不動産投資による失敗のようで、「ブーメランの法則」そのものを否定するものではないと考えています。

 

 

ブーメランの法則を活かす方法は、「お客様に戻ってきてもらうことを最大の任務と考えよう」という意識を車内に定着させることです。

意識だけでなく、お客様にリピートしていただく仕組み化することでブーメランの法則は機能します。

 

 

あなたの会社の新規客の獲得コストは?

自社の新規開拓にいくらのコストがかかっているかをご存知ですか?

 

新規開拓のコストは、

・営業マンの人件費

・交通費

・プレゼン資料の作成

・広告宣伝費

などとなります。

 

営業マンが新規訪問をして、提案をして、見積もりを出し、ようやく受注できるまでの費用は持ち出しです。受注ができなければ赤字ですね。

せっかくの営業活動をしても、1回の受注が少額でリピートがないとしたらその案件はやはり赤字です。

 

では、赤字は誰が埋め合わせているのか?

既存客からの利益で埋め合わせがされているのです。

 

 

利益はお客様のリピートで生まれる

会社の利益のほとんどはお客様のリピートで生まれています。

通信販売の場合、一人当たりの顧客獲得コスト(CPO)が5,000円だとしたら、原価と固定費を加えた金額以上で売らないと赤字です。

にも関わらず、初回お試し2,980円が成立しているのは、リピートがあるからです。繰り返し買っていただくことで利益が出るのです。

 

会社は、顧客一人当たりの生涯価値(LTV)が高いほど会社は儲かります。

 

この話をすると、葬儀や住宅など生涯で一度の買い物の場合はリピートがないと言われます。

 

しかし、葬儀社のお客さんとは誰なのでしょうか?

亡くなった人ではなく、残された家族ですね。少々不謹慎な言い方かもしれませんが、ご家族にはその後も葬儀を開催する機会があります。そんな時に、「またあの葬儀社でお願いしよう」と思っていただければリピートの獲得となります。

 

住宅の場合、家を買うのは一生に一度かもしれません。しかし、家を買った人の口コミや紹介でお客さんを獲得できるとしたら、それもリピートと考えてよいと思います。

もちろん、リフォームや外構などもリピートを生む仕組みです。

 

 

ブーメランの法則はWin-Winであること

ブーメランの法則を機能させるためには、Win-Winの関係を構築することがポイントです。

まずは、顧客志向とはお客さんのニーズを満たすことであることが最重要です。

利益が出ないような値引きをして、あなたの会社にメリットはないとしたら、それは顧客志向とは言えません。

 

顧客志向のビジネスモデルで成功している代表的な企業として紹介されるのは、ザッポスという会社です。

ザッポスは靴の通販サイトで2015年段階で3000億円を突破しています。

 

そのザッポスの急成長の理由は「顧客にファンになってもらうこと」だと言われています。それを実証するように、既存顧客からの売上が75%という驚異的なリピート率を誇るそうです。

 

品揃えは充実していますが、自社に顧客の求める靴がない場合はわざわざ他のサイトをチェックしてお客さんに教えてあげるなど、ザッポスの顧客サービスのレベルは非常に高いと言えます。

カスタマーセンターは効率化ではなく、顧客の話を遮らないことを優先しており、注文をさばくのではなく、ファンを獲得しています。

 

ザッポスが力を入れているのは、宣伝やマーケティングではなく、何度でも買いに来て、他の人にも評判を広めてくれるようにひとりひとりの顧客を常に満足させることです。

そのために能力の高い電話オペレーターを雇うことは広告宣伝よりも効果の高い投資となっています。

お客様に目を向けている会社にはサービスのまつわる伝説があります。

 

ある女性が病気の母親のために靴を注文しました。

しかし、母は靴を履くこと亡くなってしまいました。

 

ある日ザッポスから

「靴のはき心地がいかがですか?」

というメールが届きました。

失意の女性は靴は返品します。

とメールを返しました。

 

するとザッポスからは

引き取り便を手配しますので、

お気になされないようにと連絡が入ります。

もちろん返品送料は無料。

 

話は続きます。

 

翌日に、色鮮やかなお悔やみに花束と

メッセージカードがザッポスから届きます。

女性はこのエピソードをブログで紹介し、

ザッポスの伝説はネットでの

口コミが広がりました。

 

 

 

ブーメランの法則はリスクを伴う

顧客志向の大切さは理解しつつも、多くの企業で踏み切れない理由は

 

・お客さんが優位になり、自社の利益が確保できない

・効果が計測できにくい(効果が出るまでに時間がかかる)

という2点ではないかと思います。

 

顧客志向に踏み切るにはリスクがあります。だからこそ、勇気を持った経営判断が必要になります。

 

 

ブーメランの法則をビジネスに活かす組織作り

ここからはブーメランの法則をビジネスに活かすための組織作りについてお話しします。できるだけリスクの少ない方法をお伝えします。

 

 

1:社員の意識をお客様のリピートに集中させる

「お客様にリピートしていただくためにはどうすればいいか」を社内の合言葉にしてアイデアを募集します。

 

2:視点を利益ではなく、お客さんに向ける

判断基準を利益優先ではなく、お客さんがブーメランになっていただけるかどうかにおく。

 

3:お客様に聞く

お客さんのご要望をヒアリングする仕組みを作る。営業マンや販売員任せにするのではなく、アンケート用紙の送付と回収を行う専任担当を配置します。

 

4:苦情を受ける

クレームにはアイデアのヒントがあります。クレームを収集する場合は、クレームを発生させた社員を責めないことがポイントです。社員を責める雰囲気があると、せっかくのアイデアのヒントが隠蔽されてしまいます。

 

5:「できません。」でなく「やってみます。」を口癖にする

経験則で物事を判断すると、お客さんの要望はできないことの方が多くなります。無理難題でも、「できません。」という言葉ではなく「やって見ます。」を社内の口癖にします。

 

6:お客様を楽しませる

楽しいかどうかは購入の決め手になります。特に、製品の品質が同じ場合、取引をすることで楽しいことが起こると思っていただくことは、リピートの決め手になります。

 

ブーメランの法則を活かす組織になるポイントは、お客さんに先に得をしてもらうことです。

 

 

ブーメランの法則から生まれたアイデア

書籍「ブーメランの法則」から顧客志向のよって生まれたアイデアを紹介します。

 

 

郵便

郵便料金のお幅割引キャンペーンを企画しました。すると多くの人が手紙を出しました。手紙をもらった人の多くは返信をしました。こちらは定価での郵便になるので、収益が上がりました。

 

 

サンフランシスコの橋

サンフランシスコの橋では、通行料金を片道だけで往復分を徴収しています。橋の利用者は必ず往復するので、1回で回収ができます。料金の受取場所を1箇所することで、コストが下がり、利用者には渋滞が緩和されるというメリットが生まれました。

 

 

ダンボールサービス

スーパーで段ボールを無料であげることで、車で来店したお客さんは荷物が運びやすくなりました。お店はダンボールの廃棄コストとレジ袋のコストが下がりました。

 

 

サラダ

新鮮なサラダを販売しているお店がありました。1日に1回しか作らないので、夕方には、残りが少なくなり、売れ残りのような印象を与えてしまいます。そこで、残った量に合わせて皿を小さくしていきました。すると1日中、お皿いっぱいのサラダがあるので、新鮮さを印象づけることに成功しました。

このようにコストダウンと顧客志向を両立させることは可能なのです。

 

 

まとめ

ブーメランの法則を実践するためには、返ってくることを先に考えるのではなく、まずは与えることに集中してください。

競合他社を見るのでなく、お客さんに意識を集中させることで、経営のアイデアが閃きます。6つのポイントをぜひ、実践してください。

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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