こんなにも成功法則が溢れているのに、ほとんどの人が成功しない理由は何か?
なぜ、成功法則を学んでもほとんどの人は成功しないのか?
どんな人でも成功できる法則は存在するのか?
実は、成功しない人は、成功法則についての考え方が違っているのです。
成功は、ふたつの法則と11の要因にわかれています。そのことを理解して、法則と要因を使い分けると成功に近づくことができます。
これはこれまでのコンサルティング経験でお会いした成功者と呼ばれる方々を分類してまとめた見解です。
この記事では世界で最も再現性の高い成功法則について考えます。
目次
成功は成功を定義しないと始まらない
成功したいと思うなら、成功を定義しないと始まりません。これは絶対です。想像ができないものは実現のしようがありません。一方で、想像できるものは、実現が可能なのです。
ふたつの法則のうち、ひとつは
1:自分の成功を想像する
ということなのです。古今東西、あらゆる成功者に共通しているのが、成功する前に自分の成功した姿を明確に想像しているということです。
あなたにとっての成功とはなんですか?
ここを具体的に想像することが絶対に必要なのです。成功法則の躓きの多くはここにあります。
いつ
どこで
どんな風に
どうやって
どうなる
ここを具体的に埋めてください。
仮に神様がいるとして、神様が成功に導いてくれる存在だとしたら、具体的に欲しいものやなりたい状況を伝えないとプレゼントのしようがありません。
クリスマスのプレゼントがもらえるのは、「クリスマスに・・・が欲しい」と具体的に考えたからですね。成功もこれと同じなのです。
自己啓発書のベストセラーであるジェームス・アレンの「原因と結果の法則」では、「人は誰しも内側で考えている通りの人間である」を記されています。また、「求めよ、さらば与えられん」「扉はそれを叩く者に開かれる」という絶対法則は・・・ともあります。
成功の法則とは、想像し、求めるということなのです。あなたが成功法則に乗ることができていないとしたら、想像力が不足していると思われます。
ふたつめの法則
2:プレゼントが届いたら、喜んで受け取る
当たり前の話をしているようですが、これも大切なのです。実は、チャンスは多くの人に舞い込んでいるのですが、受け取っていないことで成功を逃している場合があります。
例えば、年収500万円のサラリーマンがいます。彼は社長になり、1億円の報酬を受け取りたいと考えています。ある日、紳士がやってきて、「あなたの評判を聞きました。私の会社の社長になってください。報酬は1億です。」と言ったとします。
待ってました!と紳士の提案に乗ることができるか、それとも「なぜ、私に?」「まだ修行が足りない」と躊躇するのか、ここで人生が分れます。
このように人は、自分が引き寄せた成功の瞬間であるのに、自らを過小評価することで、逃してしまうことが少なくありません。
望んだのだから成功は引き寄せられる。引き寄せられたら、感謝して受け取る。
成功法則とは、たったこれだけです。私は、これまで100人以上の成功者と呼ばれている方々とお話しをしてきましたが、この2点は絶対的に共通点です。だから、望んで受け取るというのは、絶対的な法則なのです。
法則ではない成功法則
この話をすると、望んでいるけど、成功がやってこないという人がいます。ここからはその理由を説明します。
まず、法則についての誤りがあります。
法則とは、「必ずそうなること」です。雨雲が近づいたら雨が降る。こうした自然法則は、絶対です。つまり、例外がないのです。一方で成功法則と呼ばれているものの多くが絶対ではないのは、それが法則ではなく、経験則やデータから導かれた「傾向」だからです。
例えば、成功の教えの中に、「感謝して生きる」というものがあります。
感謝して生きる人は成功する。
成功した人は感謝して生きている。
違いがわかると思います。
感謝せずに生きて、成功の座から転がり落ちた人をあなたも知っているでしょう。だから、成功と感謝は切り離せません。
しかし、感謝をすれば成功するのかと言えば、人に「ありがとう」を毎日100回言っているけど、成功していない人もいます。
つまり、感謝は成功の必要条件ではありますが、十分条件ではないということです。
成功した人には、感謝の他に成功の「要因」があったのです。実は、この「要因」があなたを成功ルートに導くことになるのです。
法則と呼ばれているものの多くは、因果関係がない
「偏差値の高い大学を卒業すると将来の収入も高くなる」
そんな風に考えている人も多いでしょう。しかし、「偏差値の高い大学を卒業したから収入が高い」(因果関係)のではなく、「将来、高い収入を得る潜在能力の高い人は偏差値の高い大学を卒業している」(相関関係)なのかもしれません。
これはデータに裏付けられていますが、学歴と収入に因果関係はありません。大学を卒業こととは関係なく、ポテンシャルの高い子どもは将来高収入になる可能性が高いと言えます。
参考「原因と結果」の経済学—データから真実を見抜く思考法 中室牧子
因果関係には、原因と結果が存在しています。これは法則です。一方で、相関関係には、原因と結果の因果が存在していません。これは法則ではありません。
因果関係と相関関係を見分けるポイントとして、中室氏の著書では、
1:まったくの偶然ではないか
2:第3の変数は存在していないか
3:逆の因果関係は存在していないか
とあります。
例えば、ハリウッド俳優のニコラス・ケイジの映画出演数が増えるとプールの溺死者が増えるというデータがあります。どう考えても、偶然としか思えません。しかし、「●●の日には・・・をしよう」迷信を信じている人は少なくありません。因果関係がなければ、再現性が低いと考えられます。もちろん、プールで溺死するのは悲しいのでニコラス・ケイジが映画に出たら気をつければいいですが、そんなことに関係なく、常に気をつけている方がいいですね。
参考
ニコラス・ケイジの映画が増えるとプールで溺死する人も増えるのか?
次に、第3の変数の存在。実は、これが成功の「要因」となります。
成功した人は感謝しているが、感謝をする人が成功するわけではないということは、そこに第3の変数があるということです。成功する人は、「感謝しながらアイデアを考える」「お客様に喜ばれるサービスを提供している」「社会を良くする研究をしている」という具合に、感謝以外の変数、つまり要因があるのです。
また、「成功した人が感謝している」のは、成功したことに感謝して、日々感謝を大切にする生活をしているという点で考えれば、「成功すれば感謝の心が芽生える」というのは逆の因果関係になります。
世の中にあるほとんどの成功法則は、経験則による傾向を語っているだけで、因果関係がなく、偶然、変数の無視、逆説から導いたものだとしたら、再現性がないのは当たり前です。
経験則で例外があるものを自然法則のように盲信するからおかしくなるのです。
法則、理論、哲学の違い
成功法則が機能しない理由は、「法則」「理論」「哲学」の区別が曖昧になっているからです。
成功理論(メソッド)、成功哲学を法則のように語られていることが間違いを誘発しているのです。
理論とは、事象を合理的に説明するための論拠ですから、原因と結果の因果関係を特定できた場合は、法則の説明となります。しかし、何かをするための手順を理論と言っている場合が多く、それは「上達の方法」なので個人差があって当たり前なのです。
だから、手順を示した成功理論は、個人差があるものなのです。個人差を埋めるための教えが「ノウハウ」です。より簡単に多くの人が取り組むことができるノウハウは成功に近づきそうに思われますが、実際は少数の実践者とノウハウを提供している本人が成功をすることになります。
哲学は、人生・世界、事物の根源のあり方・原理を、理性によって求めようとする学問だと言われています。つまり、よりよく生きるというのは、成功するかしないかにかかわらず、人としての根源的な考え方なので、成功というような俗っぽい次元の考えではないのです。
成功と哲学はそもそも次元の違う言葉です。
崇高な教えで名を成した宗教家が金銭に塗れるのは、この矛盾による象徴に他ならないと個人的には考えています。
あなたが活用するのは、法則に従った理論であり、そのための考え方として哲学が必要になるのです。
このように考えれば、引き寄せは法則は法則ですが、引き寄せる「要因」が必要になることがわかります。また、引き寄せた後に哲学がなければ引き寄せたものはどこかに行ってしまいます。
代表的な自己啓発の教え
ここからは、成功法則について考えて行きますが、言葉を混同しては困るので、「自己啓発」という言葉を使います。自己を啓発することは、成功の必要条件ですが、十分条件ではありません。
しかし、これらの自己啓発が法則のように勘違いされていることで、再現性がなくなっています。
社会には素晴らしい自己啓発の教えがあります。それらを法則化するために、それぞれの教えについて見ていきます。
原因と結果の法則についてはすでに説明をしたので、ここでは省略します。
ナポレオンヒル「巨富を築く13の条件」
1:願望
2:信念
3:深層自己説得
4:知識
5:想像力
6:計画
7:決断力
8:忍耐力
9:マスターマインド
10:性衝動
11:潜在意識
12:頭脳
13:インスピレーション
この本を「成功哲学」と解釈することが多いですが、タイトル通り「条件」について書かれているので、巨富を築こうと思うなら、13の条件をすべて満たしておく必要があります。
コビー博士「7つの習慣」
第一の習慣 自己責任の原則
第二の習慣 自己リーダーシップの原則
第三の習慣 自己管理の原則
第四の習慣 Win-Winを考える
第五の習慣 理解してから理解される
第六の習慣 相乗効果を発揮する
第七の習慣 刃を研ぐ
本書には、成功法則とは書かれていません。成功するための「原則」を習慣化することのすすめであり、本書には、「習慣は知識とスキルとやる気という3つの要素からなっている」と書かれています。
ジェームス・スキナー「成功の9ステップ」
STEP1 心を決める
STEP2 成功者のパターンを学ぶ
STEP3 無限健康手に入れる
STEP4 自分の感情をコントロールする
STEP5 望む結果を明確にする
STEP6 時間を管理する
STEP7 思い切った行動をとる
STEP8 アプローチを改善させる
STEP9 他の人を夢に参加させる
最も体系だっていると思われる9ステップでも、法則であるとは語っていません。
このようにすぐれた自己啓発書が教えてくれるのは、
願望を持つこと
知識
行動
信念(やり遂げる)
時間管理(計画)
仲間の存在
大いなるものへの畏怖
ということです。
必ず、「何をどうするのか」ということが読む人に問われており、「何を」は自分で発見することを示唆しています。
つまり、簡単に「これをしたら成功する」という法則は存在しないということです。それでも、世の中に、安易な成功本が溢れるのは、楽をしたい意識とそれを利用する情報提供者が後を絶たないからです。
成功するために絶対に必要なストーリー
では、具体的にどのように成功法則を活かせばいいのかを考えてみます。
ちなみに、成功にはいろんな形があります。「真の成功」と言い出すと、金銭的に恵まれることを必要としない幸福論に発展してしまうので、ここでは、成功を自分の力で欲しい金額を稼ぐことと定義します。
最初に必要なのは、これからあなたが歩むストーリーを具体的に想像することです。
ストーリーとは、
いつ
どこで
どんな風に
どうなる
を具体的にするということです。
例えば、小学生で描いたストーリーを実現し、その先の世界に到達したスーパースターを紹介します。
イチロー選手の子ども時代の作文です。
一般的な人の場合は、
いつー20○○年○月○日
どこでー○県にある○社で
どんな風にー考えたゲームソフトが
どうなるー世界30か国で○○ダウンロードされ
年収が3億になる
という具合になります。
もちろん、大きなストーリーを描く必要はありません。
自己啓発を学んでも成功できない理由は、ストーリーが曖昧だからです。方向は決まっていても、ルートが決まっていないのだから、目的地に到着できないのは当然です。
お金持ちになりたいではなく、「プロ野球選手になって」というルートが必要であり、そのために何をするのかを考え、実践することで成功に近づきます。
イチロー選手の作文で注目すべきは、
ぼくの夢は一流のプロ野球選手になることです。←一流のに注目
ぼくは、3歳のときから練習を始めています。3歳から7歳までは半年くらいやっていましたが3年生の時から今では、365日中360日は激しい練習をやってます。
だから1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間です。
そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になれると思います。
という点です。
成功法則とは、成功を思い描くこと、
これに尽きます。そして、実際に成功を手にするために、要因の力を活用するのです。
成功法則とは、
「どうなるためになにをやるのか」を明確にして、「どのようにやるのか」という要因を加えることで発動するのです。
あなたのストーリーを成功に導く11の要因
ここからは、あなたを成功に導く11の要因についてお話しします。
要因1:技術力
突出した技術力やセンスがあれば成功することができます。
スポーツ選手や芸術家などは、技術力という要因の力を使っています。将棋や囲碁の達人も同様です。
あなたに技術力があれば、技術力を磨き続けることで成功することができます。しかし、才能による部分が大きいので成功にまでたどり着けるのは少数になります。
例)
スポーツ選手、芸術家、将棋のプロなど
要因2:アイデア
人に喜ばれるアイデアや多くの人が活用したいと思うアイデアがあれば成功することができます。起業家の多くは、アイデアという要因を使って成功しています。あなたが起業家タイプなら、アイデアの力で成功することができます。
例)
起業家など
メルカリ創業者山田進太郎さんなど多数
要因3:サービス
圧倒的なサービスの品質も成功の要因となります。誰にでもできることを誰よりも丁寧にすることで成功の要因となります。
例)
サービス業に従事する方など
羽田空港カリスマ清掃員・新津春子さんなど多数
要因4:ノウハウ
わかりやすくノウハウを伝えることができることも成功の要因となります。特に誰でも簡単に取り組むことができるノウハウを構築できればあなたは成功します。インストラクターやパーソナルトレーナーはノウハウを要因として成功しています。ノウハウを構築するためには技術力が必要になりますが、技術で成功するほどのレベルではなくても構いません。体系化ができればいいのです。
例)
インストラクター、トレーナーなど
メンタリストDaiGoさんなど多数
心理学を日常生活に使うことができるノウハウにすることで成功しています。
要因5:知識と知恵
圧倒的な知識は成功の要因となります。知識があっても知恵があるとは限らないと言われますが、知識がないと知恵は生まれません。圧倒的な知識は必然的に知恵となるのです。
例)
学者、研究家など
茂木健一郎さん、養老孟司さん、松岡正剛など多数
要因6:分析
圧倒的な知識が知恵を生む要因と似ていますが、先を予測する能力、過去を分析する能力も成功要因となります。物事の見方に独自性があれば成功の要因となります。
例)
評論家、思想家など。
田坂広志さん、池上彰さんなど多数
要因7:マーケティング
自分の強みを売り込むすべを持つことも成功の要因となります。自分を売り込むすべをマーケティングと言います。マーケティングとはお客さんを創る活動であり、お客さんを集めることができるということです。
例えば、ごく普通の人でも、専門性を肩書きにして、独自のサービス名を考えて、
売り込みをすることで成功の要因にすることができます。
例)
個人ブランディングのコンサルタント、カウンセラーなど
神田昌典さん、心屋仁之助さんなど多数
要因8:熱意
圧倒的な熱意も成功の要因となります。特別な才能がなくても、世界一の熱意はあなたの成功の要因となります。
登山事故で亡くなった栗城史多さんは、専門家の間では登山技術が未熟と言われながらも、難関にアタックしました。彼の登山レベルを評価知る立場にはないですが、彼が人に与えた影響は大きなものがありました。
他にも、一人の力で大きなことを成し遂げた人を紹介している本があります。
たった一人の大きな力
要因9:人脈
成功者との人脈を持つことで成功の要因にすることもできます。すでに成功をしている人に紹介されることで成功の要因となります。また、自分独自の技術やアイデアがない場合は、師匠の仕事に加わることで成功する要因を活用することもできます。
他にも起業家に経営者として雇われる。
父親の会社を継ぐなども人脈の要因と言えます。
例)
斎藤一人さんとお弟子さん
メルカリ社長小泉 文明さんなど、多数
具体的な人脈の作り方は、「成功する人脈を作る10のステップ」で紹介しています。
要因10:人格
人に伝えたくなるような人格を持っていることも成功の要因となります。
例)
思想家、宗教家、社会起業家など
代表的人物
障がい者雇用の企業として各方面から指示されている人物です。
要因11:運
ストーリーは思い通りに行かないことがほとんどです。その証拠に成功者のほとんどが、「運よく」「思いがけず」という話をします。
成功者はすべて運がいい。
少なくとも本人たちはそう言います。運も成功の大きな要因なのです。しかし、私自身、運を法則化するには至っておらず、今のところ考えられることは、
運を生かすためには、
自分の運を信じること
他者を信じること
と思います。
稲盛和夫さん的な話をすると、
自利と利他ということになると思います。
斎藤一人さんの言葉を借りると、
「神様が望んでいることは?と考えて行動する」という俯瞰的な行動により運は開かれるものだと考えることができます。
まとめ
この記事では、「成功法則」について考えてきました。
成功法則とは、願ったことしか叶わないということであり、叶う要因としてこの記事で紹介した11の要因が作用しているということです。
成功を引き寄せたいと思うなら、11の中のどの要因を活かすのかを考えることが大切です。もちろん、要因は複数のものが絡むこともあります。ひとつ言えることは、中途半端な要因では、成功は手に入らないということです。
逆に要因を選ぶことができるということは、成功のストーリーがスタートしたということでもあります。