中小企業の社長がやるべき8つの仕事

 

社長の仕事とはなんでしょうか?

中小企業の場合、社長の力で会社の未来は決まります。だからこそ、社長は自分の時間を社長がやるべき仕事に使いたいものです。

 

この記事では、好調な経営をしている社長の行動をもとに、彼らがどんなことに力を使っているのかをお話しします。

 

 

社長の仕事とは?

社長の仕事はたった一つ、「利益を出すこと」です。利益を出すことで、社員に還元することができ、株主に配当を出すことができます。また、設備投資をして、さらに大きな利益を出すことを考えることができます。

 

利益を出して入れば、自分の報酬を上げても誰も文句を言いません。

 

ここから具体的に社長の仕事についてお話ししますが、それらはすべて利益出すことに繋がっています。

 

 

 

1:マーケティング

ドラッカーが定義するマーケティングは、「顧客の創造」となっています。

 

顧客の創造とは、

 

・新しい市場を作る

・より多くのお客を振り向かせる

・他社のお客を奪う

 

そのためには、

 

・魅力的な製品やサービスを作る

・ユーザビリティの高いシステムを作る

・社員にマーケティング活動をさせる

 

など、お客を増やすマーケティングは社長の仕事です。

 

誤解しないでいただきたいのは、社長が売ると言うことではありません。売りに行くのは社員の仕事です。社長の仕事は、売れるものを作り、どう売るのかを考えることです。

 

魅力的な製品開発の例としては、

 

東レとユニクロが共同で開発をした「ヒートテック」があります。ファッションと素材の組合せで圧倒的なシェアを獲得しました。

 

社員にマーケティング活動をさせている経営のお手本としては、ネスレ日本の高岡浩三社長兼CEOが参考になります。

 

社長がマーケティングをするためには、マーケティングをどう定義するのかが大切です。

 

高岡社長の場合、

 

「マーケティングとは、顧客が抱える問題をいかに解決するか」

 

と定義しています。

この定義があるので、社員は顧客の問題に目が行くようになります。

 

ここで難しいのは「顧客」とは一体誰なのかということです。

ネスレ日本は食品メーカーですから、一般消費者が顧客です。しかし、営業担当者にとっては取引先も顧客が顧客となります。

 

サプライチェーン担当者であればサプライヤーは仕入れ先ではなく顧客と考えるべきです。

 

さらに言えば、人事部の顧客とは社員です。会社の各部門がそれぞれの顧客が抱える問題を解決する、これがマーケティング発想であり、それぞれの立場でイノベーションを起こす必要があるでしょう。

 

会社全体がこのような考え方に立つことで、マーケティング発想ができる企業になるのです。

 

 

また、高岡社長の定義では、顧客の問題には2つの種類があります。

 

顧客が既に認識している問題の解決 → リノベーション

顧客がまだ認識していない問題の解決 → イノベーション

 

大きな成功を収めるためには、「顧客がまだ認識していない問題」を解決し、イノベーションを起こすことが必要だと言えます

 

 

 

2:資金調達

会社は資金が尽きたら倒産します。社長の仕事は会社の資金を確保しておくことです。資金調達の方法は次のものが考えられます。

 

・自己資金

・補助金

・助成金

・金融機関

・投資家

・VC

・上場

 

キャッシュが尽きたら会社は終わりです。

 

 

 

3:仕事が動く仕組みづくり

会社の業務がスムーズに回る仕組みを作るのも社長の仕事です。

 

一般的な組織は、

 

営業

生産管理

製造

出荷

経理

総務

 

となっています。これがスムーズに回る仕組みになっているかどうかを常に確認しておくことが大切です。

 

印刷通販のプリントパックは、従来の印刷営業マンを廃止し、インターネットによる受注体制に組織変更をしています。

 

ある住宅メーカーも、営業マンを廃止し、設計士がお客様に対応するようになり、品質が向上しました。

 

兼務をさせると仕事が滞りがちです。

 

 

 

4:評価制度

中小企業は、業務分担が難しく、できる社員ほど複数の仕事をしています。新しいことをやるにしても、彼らの力が必要になります。しかし、彼らにその時間がありません。

 

中小企業の組織構成は、売上を上げ、利益を出すことを考える少数の社員と、作業をこなす大多数の社員で構成されています。明確な評価制度がなければ、ほとんどの社員は、やっても同じだという考えが定着してしまい、自分の仕事以外のことをやりたがりません。

 

仕事の質に応じた評価制度を作ることで、会社に必要な社員がはっきりとします。評価制度によってやる気のない社員のやる気を出させることはできません。しかし、やる気のある社員にやる気を上げることはできます。

 

 

 

5:人材育成

人材育成の仕組みづくりも社長の仕事です。ベテラン社員で成り立っている間は、問題を感じないかもしれませんが、5年後、10年後も会社を継続させるためには人材育成が必要です。

 

人手不足を補うために中途採用を実施するだけでなく、若手社員を採用し、将来の幹部候補として育成しておくことも必要です。

 

プロ野球の広島カープが育成に優れていると言われるのは、毎年補強のポイントを明確にしているからです。キャッチャーのレギュラーが28歳の場合、数年は安泰ですが、怪我のリスクがあります。その場合のサブメンバーを育成しながら、5年後にレギュラーのなる資質のある高卒選手をドラフトで指名しています。

 

中小企業において人材育成のポイントは、

 

・仕事のスキル

・リーダーシップ

 

となります。

 

 

 

6:現場を知る

日本マクドナルド時代の原田泳幸社長は、店舗に行ってきました。ユニクロに柳井社長も店舗に行っています。ストライプインターナショナルの石川社長も現場視察に行っているようです。

 

社長は現場のことを把握しておく必要があります。トップダウンの社長ほど、いい情報は上がって来ても、バッドニュースが耳に入らないことがあります。

 

現場を知るには現場に行くのが一番です。しかし、現場にむやみな緊張感を走らせ、仕事の手を止めるような視察は視察になっていません。こんな視察では、普段の仕事を知ることはできません。

 

いずれかの方法で、現場の状態を理解しておくことが社長の仕事です。些細な異変も現場から起こるのです。

 

 

 

7:新規事業

新規事業は黙っていては生まれません。今のままの仕事が長く続くことはありません。特にビジネスのスピードが上がっている昨今では、異業種からイノベーションを起こしてくる企業が参入してくる可能性があります。

 

印刷業界の価格を劇的に下げたラクスルは印刷会社でなく、IT企業だと言えます。

 

新規事業の方向性は、

 

全く新しいことに挑戦する

既存の技術を横展開する

 

となりますが、社長が考えるか、新規事業の担当者からの提案が上がってくる仕組みを作ることが大切です。

 

 

 

8:後継者の育成

社長は、自分に万が一のことがあった場合、会社をどうするのかを決めておくことが大切です。

 

万が一のことがなくても、どんな社長でも引退をする時はあります。そうしたときに、誰に事業承継を行うのかを考え、後継者を育成するのも社長の仕事です。

 

中小企業の場合、家業を継ぐことをおすすめします。稼業は仕事への愛着が強いからです。一方で、2台目、3代目は、育成方法を間違えると会社を傾かせてしまいます。

 

後継者の育成とサポートをしてくれる既存社員の連携を作ることで、スムーズに後継者を育成することができます。後継者が幼い場合は、中継ぎ役を考えておくといいでしょう。

 

 

 

まとめ

この記事では、社長がやるべき8つの仕事について紹介しました。社長の仕事は最新の情報を入手し、自社に取り入れる方法を考えながら、資金と人と設備を最適化することです。常に、これでいいという状況は生まれません。また、自分の引退後にも会社を継続させるためには、後継者の育成など、長期の視野が必要になります。

 

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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