今後、市場が縮小する分野と市場が拡大する分野があります。前者をオールドエコノミー、後者をニューエコノミーと言います。
この記事では、オールドエコノミーとニューエコノミーにビジネスモデルについて考えてみます。
-
オールドエコノミーとニューエコノミーを分ける2つの要素
まず、オールドエコノミーとニューエコノミーを分ける2つの要素について考えます。
それは、
1:時流に乗っているかどうか
2:インターネットの活用ができているかどうか
この2点になります。
-
時流とは何か?
時流とは、時代が流れていく方向です。川に例えた場合、どんどんその方向に急激に流れている場合、時流に乗っていると言えます。この業界にいる場合、事業は拡大します。
例えば、インターネット黎明期のホームページ制作会社は、仕事が溢れていました。昨今では、Ai関連のビジネスは、エンジニアの数が足りないと言われています。
ただし、多くのプレーヤーが流れに飛び込んでくるので、負けないようにする必要があります。
流れているものの、流れが弱まっている場合は、市場の伸びが減速するので、収益性を高めて筋肉質の会社にする必要があります。
時流とは、次の2つの要素になります。
・流行
・大きくなる課題
昨今の流行と言えば、スマートフォンです。一人に1台の時代になり、スマートフォンに割く時間はどんどん増えています。スマートフォンを媒介にしたサービスは、さらに拡大します。
先進国の次は発展途上国という巨大なマーケットが出現します。川の水は高きから低きに流れるのです。
一方で、BtoBの市場においては、スマートフォンの活用は個人ユースに比べて進んでいるとは言えません。ということは、今後チャンスが生まれるということです。現在、パソコンで行なっている仕事をスマートフォンでできるようにすることが大きなチャンスになると思われます。
-
大きくなる課題
時流の2つ目は、大きくなる課題です。
世界は課題に満ちています。その課題の解決をするビジネスは時流に乗っており、市場が大きくなります。
表出している課題
・人口の減少
・高齢化
・地球温暖化
・電力供給
・過剰なモノに処分
・廃棄の食材
・環境破壊
など。
他にも課題はあります。こうした課題の解決法が新しいビジネスモデルになるのです。
笑農和は、スマホやPCなどを使い、遠隔操作で水門の開閉を行うことができるシステム「paditch」を開発しました。ウェブ上で水位や時間を設定すると自動で水門が開閉される仕組みで、水量不足などの異常値を計測した場合でも、スマートフォンなどで遠隔地から操作できるようになっています。人手が必要だった水位調整をIT化することで作業が効率化できるほか、台風など見回りが困難な状況でも安全に管理できるメリットもあります。
高齢化は大きな課題です。シェアハウスは、高齢者が主体となり、生協の宅配サービスの利用者も、主婦から高齢者にシフトするかもしれません。
-
インターネットの活用
ニューエコノミーの多くは、インターネットを媒介したビジネスを展開しています。インターネットの出現で、社会は大きく変化しました。
しかし、インターネットの出現前とビジネスモデルが変わっていないとしたら、オールドエコノミーを継続していると考えられます。
もちろん、営業マンの活動や従来の生産方法を否定するものではありません。
BtoBの現場でのスマートフォンは、個人ユースのほどに活用ができていません。セキュリティなどのハードルもあります。
しかし、活用ができていないなら、どのように活用をするかを考えることがポイントです。
オールドエコノミーでのインターネットの活用法は、情報配信です。
メールマガジンやLINEは、顧客への情報を一斉に配信することができます。また、顧客に有益な情報をまとめるサイトを作成することで、人を介さないコミュニケーションが可能になります。
-
インターネットで力を持つビジネスモデル
これまでのビジネスモデルは、製品を作るかサービスを提供する事業が主力でした。メーカーは販売会社よりも力を持っていました。一部の大規模販売店はメーカーよりも力を持つようになりましたが、中小の販売店には、そこまでの力がありません。
しかし、これから先は、メーカーよりも、インターネットを通じて顧客とのコミュニケーションを取る会社の力が大きくなります。
典型的な事例は、
ZOZOタウン
リクルート
です。これかの会社は、製品を持っているわけではありません。しかし、強い販売力と顧客の囲い込みによってメーカーとの立場を逆転させています。
他にも、
ぐるなび
食べログ
なしで飲食店の集客は難しくなっています。
自社製品にこだわることなく、オールドエコノミーをプラットホーム化することで、新しいビジネスモデルを生み出すことができるのです。
まとめ
この記事では、ニューエコノミーとオールドエコノミーの違いに触れつつ、今後のビジネスモデルについて考えました。自分の業界のこれから先の市場を予測しつつ、ビジネスモデルの構築にお役立てください。