いい会社とはどんな会社なのか?
明確なビジョン、給料が高いとか、休みが多いとかユニークな制度があるなど、色々な評価があります。
こうした評価をまとめると、社員の側から見れば、「働きがいがある会社」。会社の側から見れば「モチベーションの高い会社」となります。
いわゆるいい会社とは、そこで仕事をしている社員の評価が高い会社がいい会社になっていると言えそうです。
マスコミで取り上げられている会社を見ると、社長は、「うちの会社の社内制度を変えようか」と思うかもしれません。しかし、制度を変更しても、同じような効果は見込めそうにない。
そう考える理由は、いい会社になるための階段を飛ばして上がろうとしているからです。
この記事では、中小企業がいい会社を作るための5つの階段についてお伝えします。
目次
悪い会社を創ろうとしている社長はいない
最初にお伝えしたいことは、社長なら誰でもいい会社を創ろうと思っているということです。たとえ、実際、自分が思うような組織でなくてもそれほど気にする必要がありません。また、他社を羨む必要もありません。
あなたが「いい会社を創ろう」と考えているとしたら、誰がなんと言おうが、あなたはいい社長なのです。
売上と利益を出せばいい会社なのか?
売上が上がり、利益を出している会社がいい会社なのかというと、必ずしもそうとは言えません。世間でブラック企業と言われている会社の多くは、長時間労働と厳しい社風で急成長し、大きな利益を出しています。しかし、ブラック企業と言われているのです。
一方で、ホワイト企業とは、給料が高く、福利厚生が整っていて、離職率が低い会社のことを言います。いわゆる「いい会社」のことです。
会社を継続していくためには、利益を出すことが絶対条件です。しかし、「いい会社」になるために、利益は必要条件ですが、十分条件ではないということです。
ホワイト企業を目指す必要はない
ホワイト企業は「いい会社」としてもてはやされるので、参考にしようと考える社長もいるかもしれません。
しかし、必ずしもホワイト企業を目指す必要はありません。
プライベートを重視する社員ばかりの会社と残業しても仕事をする会社が同じ商品を販売した場合、勝つのは後者です。会社は利益を出さなければ存続できない以上、社員には利益に貢献する仕事をしてもらわなければなりません。ホワイト企業を目指して、福利厚生を充実させなくてもいい会社創ることはできるのです。
いい会社になる2つの条件
では、いい会社にするためにどう考えればいいのか?
2つの条件があります。
1:利益が出ていること
2:社員の欲求を満たしていること
いい会社とは社員の満足度で決まるので、上記2つの条件が必要です。
特殊な部品やニッチな産業では、目立たないけれど、業界シェアの高い会社があります。こうした会社の経営は安定し、仕事もマイペースで行えるので、いい会社にしやすいと言えます。一方で、競争が激しい業界やマーケットが縮小していく業界では、まずは将来に渡る収益性の確保が大切になります。
まずは安定的に利益を出す。これが大切なのですが、長時間労働や厳しい社風では離職率が上がるので、属人的でない売上アップの方法を考える必要があります。ここは社長にとって大きな仕事です。
人の満足度の5つの段階
マズローの欲求段階説というものがあります。
人間の欲求を5段階に分けて解説がなされています。
第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。この欲求がある程度満たされると次の階層「安全欲求」を求めるようになります。
第二階層の「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。
この「安全欲求」が満たされると、次の階層である「社会的欲求(帰属欲求)」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めるようにます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなると言われます。
ここまでの欲求は、外的に満たされたいという思いから出てくる欲求(低次の欲求)で、これ以降は内的な心を満たしたいという欲求(高次の欲求)に変わります。
「社会的欲求」の次に芽生える欲求は、第四階層である「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)です。
そしてその「尊厳欲求」が満たされると、最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれます。
マズローの欲求段階説を会社に当てはめる
第一段階:生活ができる給料が出る、休みがある
第2段階:クビにならない
第3段階:話を聞いてもらえる同僚や上司がいる
第4段階:仕事を評価される、感謝される
第5段階:好きな仕事ができている
ということになります。
欲求段階が高いほど「いい会社」という評価になります。
給料が安く、休みのないベンチャー企業が「いい会社」になるまでには、
5つのステップを上がっているのです。
いい会社を作るステップ
社長がいい会社を作るためには、
欲求の段階をひとつひとつ上げていけばいいのです。
1:生理的欲求→安全欲求
売上と利益を出して、少しでも社員に還元する
給料を上げるよりも、臨時ボーナス
2:安全欲求→社会的欲求
社内コミュニケーションを活性化させる
なんでも話せるミーティング
3:社会的欲求→承認欲求
褒める文化の育成
お客様の喜びの声を社内に掲載する
4:承認欲求→自己実現欲求
会社のビジョンとミッションを浸透させる
社会に貢献する
世界を変えるなど、
社員が共感しやすいビジョンを掲げる
まとめ
この記事では、いい会社を作るためのステップをマズローの欲求段階説に従って解説をしてきました。
給料を上げる
休みを増やす
コミュニケーションに工夫をする
それぞれは有効な経営手段なのですが、ステップに合わせて実施をすることが有効です。ぜひ、いい会社づくりの参考にしてください。