顧客の質を変えてビジネスモデルを変換する15の方法

 

旧来のビジネスモデルを変換する際、顧客を起点にビジネスを組み立てることもできます。というか、ビジネスというのは誰を顧客にするのかを考えることでもあります。

 

この記事では、顧客の質を変えることによるビジネスモデルの構築法を考えます。

 

 

人は誰でも自分のストーリーを持っています。ストーリーとは価値観とも言われます。その人の価値観で人は行動をします。人の価値観を変えることは簡単ではありません。だから、ビジネスモデルは人の価値観に合わせる方が確実です。

 

買い物をする時、どんな価値観の人を顧客にすると、あなたの会社は支持されるでしょうか?

 

例えば、10万円の製品を8万円で買った時、

 

・10万円もしたと価格をアピールする

・2万円も安く買えたと割引率をアピールする

 

お金を使う対象は、

 

・自分のためにお金を使いたい

・人のためにお金を使いたい

 

このように人には価値観があります。そして、人は価値観に従った買い物をするのです。

 

あなたの会社が、顧客の自分のために普通の買い物(お金を出して必要なものを買う)をさせているとしたら、顧客の価値観に合わせて、ビジネスモデルを変えてみることができます。

 

 

 

  • 得をしたい顧客に対してサービスの方式を変える

まずは、得をしたい顧客に対してサービスの方式を変えるビジネスモデルについて考えます。誤解してはいけないのは、安く買いたいのだけど、「安いものは買いたくない」という意識があるということです。

 

 

1:本体を安価で提供し、資材で利益を出す

 

初期費用を抑えたいという顧客ニーズがあります。その場合、本体価格を下げて、継続的に資材の購入をしてもらうことで、収益を上げるビジネスモデルがあります。

 

例えば、

髭剃りの本体と替え刃

 

プリンターとインキ

 

コピー機とコピー

 

モデムとインターネット回線

 

携帯電話と通信料

 

最近では、

コーヒーマシンとコーヒー

 

健康コーポレーションは、単品価格28,000円の美顔器を、ジェルを13ヶ月間定期購入することを条件に初回980円で提供しています。

 

本体価格を下げることで製品を普及させて、資材で利益を出すビジネスモデルがあります。

 

 

2:共同購入・共同使用

 

一人では負担が大きい製品を共同購入することで、一人当たりの負担額を下げるビジネスモデルが共同購入です。

 

シェアオフィスも共同購入の変形だと考えることができます。

 

TechShopは会費を支払うと、レーザーカッターや3Dプリンターといった最新機器のほか、CNC木工旋盤「3Dターニングマシン」や、金属加工、溶接、職業用ミシンなど多数の工作機械を使うことができます。設備投資ができない中小零細企業のアイデアを形にする環境を整えているのです。

 

 

3:レンタル

 

購入するのでなく、レンタルをするビジネスモデルもあります。最も馴染み深いのは、住宅ですね。他にもレンタカーというサービスもあります。

 

現在では、家具や洋服もレンタルをすることができます。「所有しない」という意識の高まりで、レンタルビジネスは大きくなると予想されます。あなたの会社が販売をしているなら、レンタルをすることはできないか考えてみてはいかがでしょう。

 

 

4:シェアリングエコノミー

 

余っているリソースを活用するビジネスモデルが流行しています。代表的なビジネスは、Airbnbやウーバーです。メルカリも同じカテゴリーとして考えることができます。

 

社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI.jp」では、消費期限間近の製品を格安で販売し、収益の一部を社会貢献活動に回しています。

 

https://www.kuradashi.jp/?action=customer_guide

 

余っているものを活用することで新たなビジネスを生み出すことができるかもしれません。

 

 

5:細かい発注に対応する

 

シェアフルは「スキマ時間を価値に変える」をテーマにした、1日単位の契約など短期間かつ短時間の雇用に特化した、人材マッチングサービスです。専業主婦やフリーター、学生、副業可能な会社員などを対象としています。

 

短時間、小ロットなど、これまでよりも小さなセグメントのニーズをキャッチすることで新しいビジネスを生み出すことができるかもしれません。

 

 

6:ピンポイントの発注に対応する

 

細かい発注と同じく、ピンポイントの発注をしたいというニーズもあります。

サーキュレーションでは、専門性の高い優秀な人材をマッチングするサービスを提供しています。

 

個人のこれまでのご経験・キャリアにおける強み・志向性に応じて、世の中の多くの会社の「経営課題」に対し、業務委託契約にて期間限定で解決支援をするサービスです。

 

企業側には、契約期間が短いことで、コストを抑えるメリットがあります。

 

 

 

  • 付加価値を求めるお客へのサービスを考える

安く買いたいお客がいる一方で、付加価値を提供することで、価格を上げたり、新しい顧客を獲得することもできます。

 

 

7:高品質の製品をコストダウンする

 

俺の株式会社は、高品質なフレンチやイタリアンを、リーズナブルに提供することでビジネスを拡大しています。

良い素材と一流レストランのセカンドやサードのシェフを採用することで、料理の質を上げています。一方で、立ち食いというスタイルで、回転率を上げて、収益性を高めるビジネスモデルです。

 

結果、これまでフレンチやイタリアンのレストランに行きたいけど、価格をネックにしていた顧客層を取り込みました。

 

力を入れるポイントと抜くポイントを合わせることで、高品質の製品やサービスをコストダウンすることができます。

 

 

8:掛け合わせる

 

シニフィアン シニフィエは美味しさと健康と掛け合わせたパンを販売しています。

 

例えば、糖尿病専門医からの依頼で、糖尿病患者も食べられる、低糖質で食物繊維も豊富なパンを開発しました。このように健康面での信頼は厚く、健康に関心の高い層の支持が強いと言えます。もちろん、若いパン好きの常連も顧客としています。

品質でファンを獲得しているビジネスモデルです。

 

http://www.signifiantsignifie.com

 

 

9:希少性

 

国産のウイスキーの原酒が少なくなり、ウイスキーの価格が高騰しています。このように少ないものというものも、付加価値を求める顧客へのビジネスモデルになります。

 

究極の希少性とは、オーダーメイドです。

 

オーダーメイドタイルのブランド『TILE made(タイルメイド)』を立ち上げています。

http://tilemade.jp

 

他には、グッドモーニングトーキョー(GMT)は、レディーメイドのシリアル専門店です。種類は、基本的なミックスで30以上、限定商品を足すと50種類。価格はスーパーで販売されている一般的な製品の3~5倍です。顧客は、食にこだわりがある人や、海外駐在経験がある人などで、7割が女性です。

 

レディーメイドのシリアルで飽き足らない人は、インターネットでカスタムメイド・シリアルをオーダーすることもできます。ミューズリーは、1㎏(500gパックが2袋)で税込2880円から、グラノーラは940g(470gパックが2袋)で同3480円からと、シリアルとしてはかなり高価ですが、注文は増えているようです。

https://www.gmtjapan.com

 

 

10:意外性

 

バスの運行会社である、株式会社クールスターは、フルコースにも対応できるレストラン並みの厨房設備を搭載した大型バス「CRUISE KITCHEN(クルーズキッチン)」を運行しています。景観のいい場所で、料理を楽しみないという顧客のニーズを満たすサービスです。

http://www.hokkaidolikers.com/articles/4309

 

 

11:新しい価値を生む

 

日本では普通に食べられているコンブやワカメなどの海藻類も、欧米では、ほとんど食べられず、廃棄されていました。しかし、近年のヘルシーブームで、欧米でも海藻の低カロリーと栄養価の高さが脚光を浴びています。「スーパーフード」として食事に採り入れている人も増えています。

 

このように新しい価値を生む出すことで、顧客を取り込むこともできるのです。

 

 

 

  • 性別を活用するビジネスモデル

 

12:男性職場に女性が進出する

 

衰退著しい業界でも、女性の力で新しい顧客を開拓している企業があります。男性中心の鬼瓦業界にあって、斬新な制作コンセプトを創出し、前例のないビジネスモデルに挑戦しているのが、女性鬼師 伊達由尋さんです。鬼瓦の新用途を開発して、新規顧客層を開拓。革新的な取り組みを通じて、今業界内外から注目と期待を集めています。

 

女性鬼師 伊達由尋

http://yuhiro.jp

 

 

13:男性向けサービスを女性に展開する

 

「女性や家族が楽しめる安全なDIYパーツを作ろう!」というコンセプトで展開をしているのが、女性向けのDIYブランド「ラブリコ」です。これも新しい顧客を獲得している事例です。

 

 

 

  • 年齢に特化したサービスで顧客を取り込む

人は自分に適した製品やサービスを好みます。その時、ひとつの指標になるのが年齢です。特に、高齢化社会に向けては、シニア層に対するアプローチが有効です。しかし、シニア=お年寄りではありません。

 

シニア層にニーズを満たしているビジネスを紹介します。

 

 

14:シニア層とのコミュニケーション

 

ハルメクは女性誌という枠を飛び越えて、50代からの女性のライフスタイルを提案することで大きな支持を得ています。雑誌を売るのでなく、「ライフスタイル提案」をすることで、ビジネスモデルの転換に成功しています。

 

 

 

15:家族への贈り物

 

家族へのプレゼントにはニーズがあります。その中でも、価値が高いものは、専用にカスタマイズされたものです。

 

親の雑誌は、名の通り、親のストーリーを雑誌にまとめたものです。ページ数を減らし、フォーマットを統一することで、自費出版よりもリーズナブルな価格設定になっています。カラー印刷の価格が圧倒的に安くなっているので、写真に注力することで、高級感も演出できています。

 

https://oyanozasshi.jp

 

 

 

まとめ

この記事では、顧客の価値観に合わせた15のビジネスモデルを紹介しました。顧客の価値観を明確にして、自社のサービスにマッチした顧客に、顧客が望む方法で製品やサービスを提供することで、新しいビジネスモデルが生まれるのです。

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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