基礎からわかるビジネスモデルの考え方、作り方(1)

 

 

あなたの会社のビジネスモデルは強固でしょうか?

 

儲かっているとしても、簡単に真似をされるビジネスでは、後発の会社にシェアを奪われています。また、時代遅れの製品やサービスは、顧客に見向きもされません。

 

競争のないビジネスを生み出せば、市場を独占することができます。

 

あなたのビジネスがこれから先も儲かり続けるなら、未来は安泰です。しかし、競合が厳しくなり、時代遅れになりつつあるなら、ビジネスモデルを再構築しなければなりません。

 

この記事では、ビジネスモデルの考え方、作り方について解説します。

 

 

 

なぜ、ビジネスモデルを考える必要があるのか?

ビジネスモデルとは、事業体(会社、個人)にあるヒト、モノ、カネ、情報、テクノロジーを使って、製品やサービスを生み出し、利用者に価値を提供して対価を得ることを言います。

 

ビジネスモデルを考える理由は3つで、

 

他社に対抗するため

顧客のニーズを満たすため

新たなビジネスの金脈を掘り当てるため

 

です。

 

儲かるビジネスは真似をする企業が出てくるので、後発の企業に対抗しなければなりません。顧客のニーズはどんどん変化するので、ニーズを満たし続けなければなりません。

要は儲け続けるためには、ビジネスモデルを考え続けなければならないということです。

 

 

 

ビジネスモデルの考え方

最もシンプルなビジネスモデルは、製品やサービスを提供してお金をもらうという形です。

 

 

例えば、食料品を販売して代金をいただくという話です。

 

地域に食料品店が1社しかなければ、価格も自由なので、売り手市場のビジネスモデルです。

特許などで他で扱えないものを扱っている場合も同じです。

競争がない商売は最強のビジネスモデルです。

 

 

しかし、隣に食料品店ができれば競争になります。

 

競争が始まると競争に勝たなければなりません。競争に勝つ方法を考えることがビジネスモデルを考え、作るということになります。

 

ビジネスモデルとは

 

1:ライバルに勝つ方法を考える

2:ライバルがいないビジネスを考える

 

ということになります。

 

その方法として、

 

・価格を下げる

・品質を上げる

・特定のお客に絞る

・これまでにない製品やサービスを創造する

・製品やサービスの提供方法を変える

・デザインでブランド化する

・お金の流れを変える

 

というようなことになります。

 

 

昨今では、ビジネスモデルが複雑化しています。とても秀逸なビジネスモデルも多数あります。しかし、いざ自社のビジネスモデルを考えようと思っても、どこから手をつけていいのかわからないこともあります。

 

そこで、基礎的なビジネスモデルの考え方を一つずつ考えてみたいと思います。

 

各矢印の方向に思考することで、ビジネスモデルを作ることができます。

 

 

 

低価格で競争に勝つ

 

まずは、赤い矢印の方向でビジネスモデルを考えます。

 

 

あなたの食料品店に隣に、食料品店ができました。競争の始まりです。競争に勝つために、何で競争をするのか(もしくは競争しない)がビジネスモデルを新しくするということになります。

 

例えば、

 

価格を下げて競争に勝つ

 

 

競合店が値下げをして来なければ競争に勝つことができます。今でもこのビジネスモデルを採用している企業がたくさんあります。

 

問題は、利益が少なくなることです。相手も価格を下げてきたら、値下げ合戦になります。こうなれば消耗戦です。値段を下げても消耗戦にならない運営方法が強いビジネスモデルということになります。

 

 

 

低価格でも利益の出る体制にする

最も簡単なビジネスモデルの考え方は、低価格化です。

誰でも考えつきそうな話ですが、競合よりも安いというのは圧倒的に大きな武器です。

 

ユニクロ

ソフトバンク

HIS

アイリスオーヤマ

 

名だたる企業は低価格で業界に切り込み大企業に成長しています。

 

低価格を実現する方法は、

 

仕入れ価格を下げる

人件費を下げる

固定費を下げる

 

ということを思いつくと思います。

 

 

  • 食品の仕入れ先にコストダウンを要求する

 

コストダウンの要求を飲んでもらえれば問題はありません。拒否されたら、新しいビジネスモデルを考える必要があります。

 

 

  • 人件費を下げる

 

従業員の給料を下げる

安い給料で仕事をしてくれる人に変える

自分で働く

 

ということになります。気をつけないといけないのは、人件費を下げることは品質やサービスの低下につながる可能性があるということです。

 

 

  • 固定費を下げる

 

人件費以外の固定費を下げる方法も有効です。

 

お店の場所を変える

小さくする

 

ただし、瞬間的な利益は確保できますが、広がることはありません。

 

多くの場合は「値下げ=低価格」と考えます。これは誤りです。低価格で利益の出る体質にすることがビジネスモデルの構築なのです。

 

 

 

製品やサービスを簡素化する

次に合理的に低価格にする方法を考えてみます。

 

過剰サービスがないかチェックします。

 

日本の企業は顧客満足を重視します。しかし、顧客満足とは、お客様にへつらうことではありません。

 

顧客満足とは、自社の顧客を選別し、顧客が期待するサービスレベルを把握して、期待レベルかそれ以上の商品やサービスを提供することです。

 

例えば、高級なレストランに子どもの入場を禁止するというのも顧客満足の一環です。高額な料金を支払う顧客は、相当の料理と食事の時間を楽しみたいと考えています。子連れの人と子連れでない人を選別することで、自社が選別をした顧客の満足度が上がります。

 

合理的にコストを下げる方法として、よく目にするのは、

 

飲食店の券売機

タブレットによる発注システム

です。

 

今では一般的ですが、当初はビジネスモデルの進化でした。

 

カウンターで商品を受け取るカフェも一般的になりました。

注文を聞き、商品を届けるウエイトレスがいないので、コスト削減になっています。

 

ホテル業界でも、変なホテルはロボットが顧客対応をするので、人件費が削減できています。

 

印刷通販は、営業マンを置かず、お客に発注入力をしてもらうことで、コストを下げています。

 

 

オーブンレンジは、スチーム機能、高火力、低温性、ヘルシー志向などの高機能化、多機能化、大容量化が始まり、十数万円という機種も出ていました。しかし、全部の機能を使うわけではありません。三菱電機のオーブンレンジ「ZITANG」はコンパクトなサイズで機能を絞り、低価格化することでヒット商品になりました。

 

同じようにエアコンでも、富士通ゼネラルの「ノクリア」のロースペックモデルも、コンパクトで機能を絞ることで、ヒットしています。

 

あなたのビジネスで過剰になっているサービスはありませんか?

または、簡素にできるサービスはないでしょうか?

 

 

ラーメンや定食屋さんで、お水のセルフサービスにしているお店があります。

 

「お水セルフサービス」と張り紙をするとサービスの低下です。一方で、「当店では、富士山の美味しいお水をご提供しています。何杯飲んでいただいても無料です。どうぞ、お召し上がりください。」と書くとサービスの品質を損ないません。

 

簡素化することは、品質やサービスの低下ではないのです。

 

 

 

製品を小さくする

一般的には大は小を兼ねると言いますが、余分なものは余分なのです。

大は小を兼ねません。ならば、小さくするという発想が生まれます。

 

オーブンレンジやエアコンもコンパクトにすることでヒットしています。

 

家族構成が変化している昨今は、コンパクトにすることで、新しいビジネスモデルになることがあります。

 

コンビニでは、一人用の惣菜が販売されています。

 

逆に大量に購入をしてもらってコストを下げる方法もあります。コストコは、商品の大きさと量で有名です。一人では食べきれないので、

子どもがいる家庭などでは、近所のママ友たちが3~4人のグループを作り、コストコで購入した大きな商品を自宅で小分けするというような来店者もいます。

これは、共同購入をさせるというビジネスモデルです。

 

また、コストコに行くには、年会費4400円(税抜、個人会員の場合)を支払って会員になることが条件です。年会費の収益が見込めるので、商品で利益を出さなくてもいい(安く売れる)という新しいビジネスモデルです。

 

インターネットを活用して、共同購入をしてもらうことで、大量の商品を低価格で提供できるビジネスモデルも、かつての店舗にはなかったビジネスモデルです。

 

 

 

取扱品目を絞る

品揃えを減らして、利益率の高い商品に絞るという方法もあります。

 

お酒のディスカウントストアはその好例です。商品をお酒に絞ることで低価格化を実現しました。

 

コストコは、商品を長期保存ができる(冷凍できる)物に絞ることで、購入のハードルを下げています。もちろん、商品のロスも少なくなるので、コスト削減にもなっているはずです。

 

古本の買取をしているバリューブックスは、専門書の買取を行うことで、買取価格を上げています。売り側にとっても嬉しいことで、専門書の価値をわかっているから値付けを高くすることもできます。どんな本でも買い取るというブックオフとの差別化に成功しています。

 

 

 

 

 

まとめ

この記事では、新しいビジネスモデルを考えるために、低価格戦略についてお話をしました。低価格戦略はシンプルですが、パワフルな方法です。しかし、単なる値下げは企業の収益を損なうので、利益を確保できるビジネスモデルを考えることが大切です。

 

 

絶対に失敗しない経営術メール講座

社長のための失敗しない経営術メール講座を配信中

 

社内には、あなたの足元をすくう問題が山積しています。

しかし、会社で起こる問題は、共通しているパターンがあり、すでに、解決策も示されているのです。

 

このメール講座では、失敗しない経営をするために起こりうる問題と解決策を毎日お届けしています。

 

ただ今、3種の特典レポートプレゼント中

 

 

この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

よく読まれている記事