「価格競争から抜けたい」
「付加価値のある商品を開発したい」
あなたが提供している商品やサービスは付加価値を提供しているでしょうか?
モノが売れない時代には付加価値を付けようと言われることが多いですね。しかし、どのように付加価値を付ければいいのかが具体的に説明をしてくれる人は少ないようです。
特に、社長の思いつきで考えた商品は、これまでの商品に付加はしているものの価値になっていないことが少なくありません。この場合、付加価値ではなく、過剰サービスになります。それでは、商品を売ることができません。
この記事では、付加価値の高いと言われる商品を事例として付加価値を上げるための20のヒントを紹介します。付加価値戦略で失敗しないために参考にしてください。
そもそも付加価値とは何か?
付加価値には、色んな考え方がありますが、この記事では、「お客さんが余計にお金を払う理由」とします。ほとんどの企業は価格を安くする戦略に走りますが、付加価値により価格を上げる戦略の方が当然ながら、収益性が上がります。
付加価値には、
・機能的付加価値
・感情的付加価値
があります。ここからはそれぞれの事例を紹介します。
機能的付加価値
まずは機能的付加価値を生み出す方法を考えます。
付加価値1:世の中にない
時々、革命的な商品というのが生まれます。電話やテレビがそうした製品に該当します。かつてない発想で生み出された商品は製品に付加価値を生み出します。革命的な商品の代表として、ウォシュレットを上げたいと思います。便器に洗浄機能という付加価値をつけ、誰も想像をしていない製品を社会に投入した点においては、発明品とも言えます。
付加価値2:現状の商品よりもよくする
現行製品のバージョンアップによる付加価値を目指す企業はたくさんあります。しかし、多くはコストアップになり、付加価値として認識されないこともあります。ホワイト企業として有名な未来工業は差別化戦略においても秀逸です。しかも、革命的な商品ではなく、少しの工夫の積み重ねで大きな付加価値を提供しているところが企業の発想力と強さです。
未来工業のスライドボックスは穴の数が多かったり、縦からも横からの作業ができるので作業者に人気があります。革命的な商品ではありませんが、大きな付加価値を提供していると言えます。
付加価値3:機能と種類を追加する
より多くの機能を追加することで付加価値を上げることもできます。典型的なのはパソコンやスマホなどの電子デバイスです。容量を大きくして多機能化をしています。実際に使わない機能でも、「もしかしたら使うかも?」という心理が働くので高い付加価値となります。
料理もたくさんの具材が入っていると付加価値が高くなります。また、ユニクロの戦略のように、多くの色から選ぶことができることも付加価値と言えます。
ドン・キホーテのように「とにかく行けばなにかある」という商品戦略も集客においては付加価値となります。
付加価値4:機能性を追加する
付加価値商品を生み出す企業の代表はユニクロのファーストリテイリング。服に「涼しい」「暖かい」「乾きやすい」などの機能性という付加価値をプラスしています。
- 付加価値5:組み合わせる
同じく、ユニクロのブラトップは、キャミソールやタンクトップとブラジャーを融合させた商品です。すでにあるものとあるものを組みわせるのはアイデアのセオリーと言えます。組み合わせることで付加価値が生まれます。
付加価値6:価格を劇的に安くする
付加価値は価格を上げるために考える人が多いようですが、逆の発想もあります。劇的な価格の安さは付加価値となります。
典型的なのは100円ショップ。近年では、「これが100円?」と思うような商品がたくさん販売されていますね。他にも、GUの980円ジーンズなども付加価値の高い商品と言えます。基本的には大企業の戦略となりますが、中小企業でも製品を絞ることで実行できる付加価値となります。
付加価値7:素材を変えてみる
これまでと違った素材を使うことも付加価値となります。モスバーガーでは大豆を使ったソイパテを販売しています。牛肉が苦手な人や健康志向の方には高い付加価値を提供しています。
付加価値8:手間をかける
効率化に反して非効率に手間をかけるというのも付加価値となります。職人技による商品は付加価値を生み出します。しかし、価格が高すぎると売れません。残念ですが、この場合は付加価値でと言えません。
野草酵素という会社では、すべて手作業で発酵食品を作っています。この会社では、手間と価格がマッチしているので、付加価値を提供していると言えます。
付加価値9:最新のものを使用する
新しいということはそれだけで付加価値となります。今年の流行色を取り入れることはファッションの付加価値となります。
ファッション以外でも新素材を取り入れることで付加価値を生み出すこともできます。
テレビの選挙速報は、最も早く当然確実を出すことができる番組の視聴率が高くなる傾向があるようです。
また、多くの人が知らないことを伝えることでも付加価値を提供することができます。ユーグレナ(ミドリムシ)のサプリメントはそれだけで付加価値だと言えます。
付加価値10:古いものを使う
新しいものの逆に古いことが付加価値となります。創業100年よりは創業120年の方が付加価値は上がります。継ぎたした秘伝のタレというのも付加価値となります。常にレトロという付加価値は存在します。
付加価値11:利用者のスピードを上げる
スピードの出る自動車はそれだけで付加価値があると言えます。実際の速度だけでなく、利便性を高めてスピードを上げることでも付加価値を提供することができます。化粧や化粧落としの時間を短縮することで付加価値を上げた商品もあります。
感情的付加価値
次に感情的付加価値を生み出す方法を考えます。
付加価値12:機能を減らす
多機能化が付加価値だと言いましたが、逆の考えもあります。シンプルにすることで付加価値が上がることもあります。シニア用のスマホがこの付加価値に該当します。
少ない調味料しか使わない料理も付加価値となります。こちらは1品しかない人気料理店。
こだわりの海鮮丼で連日長蛇の列。「ぜいたく丼」の日本橋「つじ半」
付加価値13:お客さんが商品を買う場所を演出する
商品自体の付加価値を上げるだけでなく、どこで購入するのかも付加価値となります。
スターバックスは店舗の居心地を重視してファンを獲得しました。
ホテルのコーヒーが高くても利用者が多いのは、居心地と空間演出という付加価値によります。
付加価値14:接客による付加価値
商品を販売する際の接客も付加価値となる。日本一の人気を誇る加賀屋。その他にも電話オペレーターの対応など、付加価値と言える接客を行っている企業があります。
付加価値15:売り手の知識
お客さんのニーズに合わせて最適な商品をおすすめできる知識がることも付加価値です。特に、お客さんが意識していない選択基準を示した場合は、お客さんの評価も高まります。
ワインのソムリエはワインに付加価値を与えていると言えます。
付加価値16:デザインが優れている
デザインというのも大きな付加価値です。デザインの付加価値でファンを獲得しているのがアップルですね。Macはパソコンですが、Macと呼ばれます。Windowsのパソコンにもそれぞれの名称がありますが、「Windowsパソコン」とひとくくりにされているところをみると、アップル製品の付加価値の高さが分かります。
付加価値17:ストーリーがある
チョークの製造を行っている日本理化学工業という会社があります。ダストレスチョークやキットパスという商品もありますが、この会社の付加価値は会社のストーリーにあります。社員の7割が知的障がい者の方であること、彼らの活躍の場を創り出していること。
そのストーリーはメディアにも多数取り上げられています。
付加価値18:権威を示す
有名人が愛用しているということも商品に付加価値を与えます。
または宮内庁御用達など、NASAで開発などの権威を示すことも付加価値となります。
老舗の頂点【宮内庁御用達】の品々で暮らしに豊かさを取り入れる
付加価値19:実績を示す
アメリカでNo1が上陸などのすでにある実績を示すことで付加価値を提供することもできます。塾の場合は合格率が付加価値となります。ちなみに、ドコモのimodeを開発したとか、リクルートのNo1営業マンが多いのも実績が有効な付加価値となるからです。
付加価値20:コラボする
ブランド同士が手を組めば、1+1=αの付加価値を生むことがあります。ロイズという北海道のお菓子メーカーは有名企業とのコラボ商品を開発して付加価値と知名度を上げています。
まとめ
ここまで付加価値についてまとめてきました。付加価値には、機能的な付加価値と感情的な付加価値があります。どちらも消費者にとってはお金を払う理由となります。
ここで紹介した20個の付加価値を提供する方法を参考に、御社の付加価値を上げるためのヒントにしていただければ幸いです。