もし、あなたの会社にうつ病を発症した社員が出た場合、対策は万全ですか?
中小企業においてもうつ病の発症は人ごとではありません。
平成27年よりストレスチェックが義務化されましたが、十分な体制が整っているとは言えません。また、法律で義務付けられていない小規模な組織でもうつ病の発症があります。
この記事では、社員にうつ病が発症した時の周囲の対応について考えます。
精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成23年は320万人と依然300万人を超えています。
内訳としては、多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっており、 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。
うつ病と精神病の違い
最初に、私たちが理解しておかなければならないのは、うつ病と精神病の違いです。
想像世界と現実の違いが認識できていない状態は精神病であり、うつ病は、想像世界と現実が区別できています。
例えば、仕事がうまくいかないと考えている時、現実の仕事を放棄して、仕事がうまくいっている内面の空間に入るのは精神病です。精神病は、遺伝子や脳内の構造による原因が考えられるために、非常に行動な治療行為が必要になります。
一方で、うつ病は、外的要因からの影響を受けやすいと言えます。仕事がうまくいっていない状態は認識しているが、理想的な状態との差に葛藤してパンクした状態です。
心の病気が発症すると、体にも疾患が発症することがあります。
理解されない悪循環
うつ病は、理想と現実の差に心がパンクした状態です。
誰でも、悩みを抱えていますが、健康な人は葛藤を処理することができます。
例えば、
「恋人にフラれたから会社に行けません。」
「あのクライアントに会うのが嫌なので、怖くて家を出ることができない」
と悩んでうつ病になる人もいます。
健康な人にとっては、「そんなに大げさな」と思うことでも、本人にとっては、本当に生死に関わる深刻な問題なのです。
そんな時に、「気持ちでなんとかなる」とか「メンタルが弱い」、ひどい場合はズル休みと思ってしまうことすらあります。
仮に、当人にそうした傾向があるとしても、周囲の反応によって、ますます葛藤が大きくなり、病気が深刻になります。
医者のお墨付きで安心する
うつ病の人でも、会社を休むことは罪悪感を持っています。会社に行かなければならないが、行けない。こうした感情は、私たちが子どもの頃から、学校を休まずに行くことを教えられたからだと思います。
ですから、うつ病の人は、自律神経失調症、うつ病と診断されることで安堵します。また、薬をもらうことで、堂々と病気であることを証明できたことになるのです。
多くの医者に「治った」とお墨付きを貰っても、社内の雰囲気が変わっていないと思っている限りは、再発を恐れて、「うつ病」と診断しれくれる医院をハシゴします。
こうしたサイクルは、ある種の医者にとっては、お客を獲得したことになり、患者さんは依存し、長く来院をするので、ヘビーユーザーを獲得したことになります。不謹慎な言い方かもしれませんが、「うつ病である」という診断が患者数を増やしていると言えるかもしれません。
うつ病になりやすい人
様々なケースがありますが、うつ病になりやすい人には3つの特徴があるようです。
1:真面目な人
真面目で、責任感が強い人は、仕事を抱え込みがちです。また、他人に迷惑をかけることを避け、自分のことは自分でやろうとします。結果、物理的、精神的なキャパをオーバーしてしまうのです。
2:周囲に気を使いすぎる人
自分の意見を言わず、常に周囲に合わせている人も心がパンクすることがあります。特に、頼まれごとを断れない人は、仕事の量も多くなりがちです。
3:感受性が強い人
HSPという感受性の強いタイプの人がいます。こうした人は、相手の表情の些細な変化などから心理を読んでしまいます。傷つきやすい自分の感情や周囲の変化に敏感なので、葛藤を抱え込みやすくなります。
うつ病の社員が出た時の対応
うつ病は病気ですから、医者や心の専門家でない人が立ち入るべきではありません。治療は専門家に任せましょう。
社内でできるうつ病対策
私たちがうつ病を発症させた社員にできることは、
1:彼らを特別視しない
2:治ることを信じて見守る
3:仕事の量を減らす
4:仕事でプレッシャーをかけない
5:職場復帰後は普通に接する
ということになります。
まとめ
この記事で紹介したように、うつ病は特別なことではありません。
私たちにもうつ病を発症させる可能性はあります。
また、うつ病は治る可能性が高い病気です。一方で、周囲の対応が影響することも多いため、日頃からのコミュニケーションが大切となります。
チームワークとは、相手を機にすることで強力になることを忘れないでください。