社内にものが多い。
デスクの上に書類を積んでいる社員がそこら中にいる。
このタイプの会社に共通するのは、社員は忙しくしている割りには儲かっていないということです。
デスクが整理できない社員がいることが経営に関係あるのか?言われそうですが、実は大いに関係があります。
社員のデスクは仕事の仕方。仕事の仕方は、仕事のレベル。社員のデスクを見れば、会社のレベルがわかるのです。
目次
デスクが散らかることで起こっている損失
あなたの会社の社員のデスクの上はどうなっているでしょうか?書類が山積みになっている社員が多い会社は、目に見えにくいですが、損失を抱えています。金額的にはっきりしないのが恐ろしい。
どんな損失があるのか具体的に考えてみます。
1:オフィスがセンス悪く見える
まず、書類が積まれているデスクが点在しているオフィスはガチャついているので、センスが悪く見えます。センスの悪い職場で、アイデアが生まれません。ひたすら作業に追われている間に、他社はアイデアを考えているかもしれません。
2:スペースコストの無駄
書類がデスクと引き出しで収まっているならまだマシですが、足元に棚を設置したり、空いているデスクに書類を積んだりしていると、スペースのコストが無駄になっています。空間が圧迫されるので、コストだけでなく息苦しさを感じます。
3:探し物に時間を費やしている社員が多い
整理ができていない社員は、1日に相当な時間を探し物に費やしています。本人は意識していないので、気づかないうちに生産性が落ちて、残業が増えています。
4:社内のデジタル化が進まない
紙で伝達をする習慣が定着してしまうと、デジタル化が進みません。結果、誰から書類を止めると、決済が滞ります。
5:文房具が無駄になっている
デスクが散らかっている社員は、不要な文房具をたくさん抱えていることがあります。試しに、使っていないボールペンを回収したら、驚くと思います。
6:他人事意識が蔓延する
オフィスが散らかっていても気にならなくなると、ゴミが落ちていても気づかなくなります。こうしてどんどんオフィスは乱れます。オフィスの乱れが気にならなくなると、社用車などの扱いが雑になり、社内の設備も大切に使われなくなります。「自分が散らかしているのではない」と他人事意識が蔓延します。
7:いい社員が入ってこない
センスの悪いオフィスには、センスのいい社員は入ってきません。人材の質が下がります。
8:いいお客がつかない
儲かっている会社のオフィスはシンプルでものが少ない傾向にあります。煩雑な工場を見学したお客さんは仕事を発注することをためらいます。
デスクを散らかす社員はどんな仕事をしているのか?
では、デスクが散らかっている社員は、どんな仕事をしているでしょうか?これから話をするようになっていると思います。観察してみてください。
1:仕事に忙殺されている
「デスクを片付ける暇がない」というように、「自分は忙しい」と思っています。段取りが悪ことにも気づかず、ひどい場合は、「人が足りない」と被害者意識を持ちます。
2:感度が鈍っている
使わない書類はゴミです。ゴミに囲まれて仕事をしているのですから、感度が上がることはありません。ゴミを片付けない家に住むことを想像していただきたい。クリエイティブな発想が生まれるわけはありません。
3:中途半端なまま仕事が溜まっている
書類が積んであるということは仕掛かりの仕事が多いということです。中途半端な仕事を抱えているので、常に頭の中が混乱しています。
4:スケジュール管理ができていない
中途半端な仕事を抱えているということは、スケジュール管理ができていないということです。言われた仕事をするか、思いついた仕事をするかなど、優先順位がついていないことがあります。
5:探し物をしている
デスクを整理していないと、必要なものがすぐに取り出せません。結果、探し物をしている時間が増えています。
6:仕事に自信がない
終わった仕事の書類を取っておくということは、仕事に自信がない証拠です。「何かあったら」と常に不安を持ちながら仕事をしています。
なぜ、デスクが散らかるのか?
では、なぜ、社員のデスクは散らかるのか?その理由を考えてみます。
1:整理下手
第一の理由は、整理下手だということです。整理とは分類することですが、どれもこれも同じように積み上げるので、優先度が無視されます。整理ができていないので、収納することができません。
2:忙しいという錯覚
「忙しくて片付ける暇がない」と考えているため、書類を積んで行きます。しかし、書類を整理しないから忙しくなるという発想には至りません。
3:捨てられない意識
ものを捨てることができない人には、次の3つの意識があります。
・先送り
後でやろうとして忘れます。
・何かあったら
仕事に不安を持っています
・何かに使えるかも
もったいない意識が捨てることを拒み、取っていることすら忘れてゴミが増えます。
その社員が残しているものを見ると、心が読める
デスクを散らかしている社員が、どんなものを取っているかを見れば、その人の心の中が読めます。
・作業伝票
ミスを恐れています。何かあった時に自分をかばう証拠を必要としています。
・昔の企画書
過去の栄光か、採用されなかった案に執着しています。
・参考資料
自分の知識不足を自覚しています。知識の補完のために、読んでいない本や資料を、いつか使えるかもという意識で保管しています。
・会議の資料
そのうち読もうと思いながら、先送りしています。やらなければならないけど、忙しくてできないという意識の表れです。
デスクを整理する方法
では、どうすればデスクの上がスッキリするのかということをお話しします。
1:捨てる
書類は不要なものを捨てるということです。これが最もシンプルな方法です。
2:分ける
しかし、どれを捨てていいのかわからないことがあります。その場合は、3つのカテゴリーに分類します。
A:進行中
B:保管
C:保存
進行中のものは優先的に取り出しやすい場所におきます。仕事が止まっているものは引き出しの決まったところに入れます。保存義務があるものは、決めたれた期間を保存しておき、期間が来たら捨てます。
上記3つに該当しないものは捨てます。
3:退社時はデスクの上を綺麗にするルール作り
自主性に任せるとものが減らないので、退社する時には、デスクの上にものを置かないというルールを強制することも有効です。
4:データ化を推進する
書類が多いからデスクが散らかります。データ化して伝達、保存することをおすすめします。ただし、書類がデータになっただけで、デスクトップにアイコンが並んでいる社員は要注意です。
5:ノートパソコンを支給する
オフィスが散らかっている会社では、多くの社員がデスクトップを使っています。仕事場所に囚われてしまうので、できるだけノートパソコンを支給しましょう。
6:グループウエアを活用する
連絡などは、グループウエアを活用することで、時間に縛られず、効率的に仕事をすることができます。書類はアップロードすれば、プリントアウトする紙の枚数も少なくなります。
7:フリーアドレスにする
決まったデスクをなくして、自由にデスクを移動できるようにすると、デスクにものが溜まりません。また、収納は一人分のスペースを決めておき、オーバーしたらその分を捨てるという総量を規制します。
まとめ
この記事では、デスクが整理できず、散らかっている社員がもたらしている損失を取り上げ、彼らがどんな仕事ぶりをしているのか、なぜ、デスクが散らかるのかの原因を紹介しました。
デスクの散らかりは会社の混乱を意味しています。ぜひ、ものの少ないオフィスで仕事ができるようにしてください。