「フォールス・コンセンサス」で社長が裸の王様になってしまう理由

 

 

 

あなたは自分が裸の王様でないと断言できるでしょうか?

 

ほとんどの社長は、多かれ少なかれ、裸の王様になっています。裸の王様自体は悪いことではありません。

社長は最終的な決断をしなければ経営ができません。社員の話を聞きすぎて迷うようなら自分の意見を押し通すことも有効です。

 

ところが自分の意見というのが厄介で、多くの人は、自分の意見は一般的で多数派であると人は思い込んでいます。だから、相手の考えを否定しがちになるのです。これを「フォールス・コンセンサス」と言います。

この記事ではフォールス・コンセンサスの解説と社長の決断について考えてみます。

 

 

 

 

社長の考えが正しいのか、社員の考えが正しいのか?

「これはいける!」と思うアイデアを出しても、社員の反応が良くない。

「なぜだろう?」と思った時、自分は「フォールス・コンセンサス」に陥っていないか考える必要があります。

 

フォールス・コンセンサスとは、自分の考えや趣向は一般的であり、多数派であるという思い込みのことです。

 

例えば、

A社とB社の車があり、価格は共に300万円。仕様とエンジンの排気量は同じだとします。年間販売数も同じで、中古の価格も同じだとします。

A社の車を買っている人は、A社の車がB社の車よりも価値が高いと考え、B社の車を買っている人はB社の車の価値が高いと考えます。

 

このように人は、自分の所有物に執着します。自分の持っているものは価値があると思うのです。

他にも、遺品整理を頼んだら値段が安かったと怒る人がいます。頼んだ側は、親の思い出が値段に入っていますが、引き取る側は、単に物の値段で判断をするからです。このように、人は自分の考えを人に押し付けることが珍しくありません。

 

もちろん、社員にもフォールス・コンセンサスはあります。社長の意見に反対したからと言って、社員の判断が正しいとは限りません。

 

社員の意見を聞かなければ裸の王様

社員の心地いい意見を聞きすぎても裸の王様

 

では、社長は裸の王様にならないように、どのように決断をすればいいのでしょうか?

 

 

社内の反対を押し切って成功した事例

社長が裸の王様にならないためには、事業を成功させることが最重要です。

 

実際、世の中には、「人に反対されたら喜んで実行しよう」という教えもあります。

 

大抵(普通)の人が考えることは、すでに誰かが考えているか、やってうまくいかなかったことなので、普通でないことをやろうと思うなら人が反対することをやろうという教えです。

 

投資の世界でも、「人の行く裏に道あり花の山」と言われるように、人が買わない銘柄を買う。人が売っている時に買い、買う時に売るというのは成功のセオリーでもあります。

 

人が反対する中でのヒット商品というものもあります。

 

常識を破れ 重役の七割が賛成するプランは時すでに遅く、七割が反対するプランでやっと先手がとれる

松下幸之助

 

ソニーのAIBO

「役に立たないロボットなんてそんなものが売れるわけない」という反対意見が多数だったようです。

インターネット通販も当初は、「モノを見ないで買うことなどあり得ない」と考えている人は多数でした。

 

Oh My Glasses(オーマイグラスイズ)

メガネの通販で業績を伸ばしている「Oh My Glasses(オーマイグラスイズ)」も賛成意見は少数でした。

メガネの業界平均のリピート率は2年に1本ですが、この会社は数倍。試着OKのサービスを一度でも体験することで、リピート率は上がっています。

 

スタンフォード大学では「起業して大きく成功したいなら95%の人に事業化を反対されることが条件」と教えており、否定的な意見は成功の要因でもあります。

 

 

答えは市場にある

社員の意見を聞かずに失敗すれば、「だから言ったのに」と陰口を叩かれます。一方で、社員の話を聞きすぎると、ビジネスチャンスを逃します。

 

では、最終的にどのように考えればいいのか?ということですが、3つのポイントがあると考えます。

 

1:反対者が多いが、一握りの賛同者がいること

どんな事業でも一人では実行できないので、少なくとも一部の賛同者がいることが大切です。その際、社内だけでなく、社外にも広く意見を聞いてみることが大切です。それぞれの立場によって、考えは違います。ただし、100人が100人共に反対する場合は、独善的になっているかもしれません。

 

2:テストをして市場に聞いてみること

社長の考え通りに商品は売れるかどうかはリサーチとテストでわかります。

顧客はどんなことに悩んでいるのかをリサーチする。商品の前に顧客ありきです。顧客起点で商品を企画した後は、実際に顧客が買うかどうか(売れるかではない)をテストします。答えは市場にあります。

 

3:リスクが取れること

成功の陰には表に出てこない失敗があります。人がやらないことは大きな成功がありますが、失敗の可能性もあります。ただし、失敗を重ねることで成功に近づくという通り、事業を継続できることが最も大切です。

一時的な失敗の場合でも、キャッシュが回るようにリスクに備えておくことが大切です。

 

 

まとめ

この記事では、「フォールス・コンセンサス」の解説と共に、社長が裸の王様にならないポイントを考えてきました。

社長にはどんどんアイデアを形にしていただきたいと思いますが、裸の王様ではなく、真のキングになっていただきたいと思います。

・一人握りの賛同者

・市場に聞く

・リスクを想定する

この3つを忘れずに、斬新な経営をしてください。

 

絶対に失敗しない経営術メール講座

社長のための失敗しない経営術メール講座を配信中

 

社内には、あなたの足元をすくう問題が山積しています。

しかし、会社で起こる問題は、共通しているパターンがあり、すでに、解決策も示されているのです。

 

このメール講座では、失敗しない経営をするために起こりうる問題と解決策を毎日お届けしています。

 

ただ今、3種の特典レポートプレゼント中

 

 

この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

よく読まれている記事