行動分析学で社員の行動量をアップさせる2つの方法

 

 

 

「やる気はあるのだけど行動できない」

そんなことを言う社員はいませんか?

 

真面目な社員の悩みのように聞こえますが、社員が「行動しない」というのは経営者としては大きな問題です。

 

会社とは社員の行動の結果で業績が上がりもするし、下がりもするからです。

 

そもそも、「行動できない」というのはおかしな日本語です。外的に行動を妨害する要因がない場合、「行動できない」ではなく、「行動しない」ということです。

 

しかし、社員の心では、「したいと思っているけどできない」となっているので、行動しない状態を受け入れ続けます。このままでは会社の業績は下がってしまいます。

 

「行動できない」と思い込み、「行動しない」社員には、「行動しない理由」があるのです。だから、「行動しない理由」を「行動する理由」に変えることで、社員は行動し始めます。

 

この記事では、「行動分析学」に基づいて、社員に行動してもらう理由を考えます。

 

 

 

行動分析学とは何か?

行動分析学とは、「人は、なぜそのように行動するのか、あるいはまた、なぜ行動しないのか」を分析する学問です。

 

心理学のカテゴリーに分類されますが、心理ではなく、行動を分析することに特徴があります。バラス・フレデリック・スキナー(アメリカ合衆国の心理学者)が行動分析学の創始者と言われています。

 

 

 

行動とは何か?

ここで考えたいのが、「行動とは何か?」と言うことです。体を動かすことが行動ですが、息をするのも行動と言えそうです。

 

ここでは、2種類の行動について考えます。

 

1:レスポンデント行動

レスポンド行動とは、外的な刺激のよる行動のことを言います。

 

人にぶつかられた→よろめく

 

レスポンド行動の原因は行動の前にあります。

 

 

2:オペラント行動

予測した効果に応じた自発的な行動をオペラント行動と言います。

 

好物を食べる→美味しい→もっと食べる

嫌いなものを食べる→まずいと感じる→食べない

 

普通、好物は食べるし、嫌いなものは食べません。事前に美味しいかまずいかを判断して、食べるか食べないか(どっちも行動)を決めます。

 

オペラント行動の場合は、行動が行動した後の結果の予測が原因となります。つまり、原因は行動後にあると言えます。

 

 

 

人が行動しない理由

指示通りにしない

報告しない

提出物を出さない

なんども同じ間違いをする

すぐにやらない

好きなことしかしない

途中でやめる

 

そんな風に、社員にモヤモヤすることはありませんか?

 

人が行動をしない理由は2つあります。

 

1:やり方がわからない

やり方がわからない場合は、やり方を教えるしかありません。

 

問題は次の場合です。

 

2:やり方はわかるが、継続できない

この場合、オペラント行動により、やってもいい結果が出ないという予測が働いていると言えます。

 

では、人はどんな時に行動し、行動しないのか?

 

オペラント行動に照らして考えると、

 

行動できる→よい効果があると想像する

行動できない→よい効果がないと想像する

 

ということになります。

 

つまり、行動は行動がもたらす効果に影響を受けるのです。これを行動随伴性と言います。

 

 

 

 

 

人が行動する理由は2種類

いいことがあると予想できると、人は行動をします。一方で、悪いことが減る場合も行動をします。

 

飛び込み訪問をする→上司に褒められる→飛び込み訪問を続ける

飛び込み訪問をしない→上司に怒られる→飛び込み訪問をする

 

つまり、人の行動要因は、

 

行動によりいいことがある(好子出現)

行動により悪いことが減る(嫌子消失)

※行動分析学では、いいこと(好子)、悪いこと(嫌子)と言います。

 

 

いいことが起こると行動をする

いいことがなくなると行動をしない

 

例)

報奨金がもらえると営業活動をする

報奨金がなくなると営業活動をしなくなる

 

悪いことが減ると行動をする

悪いことが増えると行動をしない

 

例)

上司に怒鳴られないようにするために営業をする

何をしても上司にダメ出しをされ続けると営業をしなくなる

 

自発的な行動を促すためには、

 

好ましい効果(好子)を増やす(強化)ことになります。

 

いいことがあると想像→行動→いいことがある→継続

 

ですね。

 

 

参考書籍

 

 

 

どのようにいいことを増やしていけばいいのか?

では、どのように好子を増やして行けばいいのか?

 

ここでは、石田淳さんが書籍で紹介しているPST分析を使います。

 

 

参考書籍

 

 

ポジティブなことが即時に確実に起こると予測すると人間は行動をするのです。

 

例えば、

 

A:1回100万円のボーナスを年に2回

合計200万円

 

B:1回15万円のボーナスを毎月(12回)

合計180万

 

だとすると、金額の合計は少なくても、Bの施策の方が行動をしやすいと考えることができます。

 

つまり、プラスの評価をマメに与えること。そして、何をすれば(行動)プラスの評価をもらえるのかを社員に理解させることが、行動を促すことになるのです。

 

 

 

まとめ

社員に行動をさせるためには、

 

・ポジティブなことが即時に確実に起こると予測する

・ネガティブなことは即時に確実に減っていく

 

という2つの方法が考えられます。

 

名経営者は両方を経営に取り入れています。だから、「普段はやさしいけど、怒ったらとんでもなく恐ろしい」と言われている人が多いのです。

 

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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