古いビジネスモデルを新しいビジネスモデルに変える最もシンプルな方法

 

あなたの会社は後何年儲けることができるでしょうか?

企業が儲ける仕組みをビジネスモデルと言います。

時代のスピードが速くなるほど、ビジネスモデルの進化も早くなります。

 

例えば、音楽は演奏会で聴くものでした。しかし、ラジオができて演奏会に行かなくても音楽を聴くことができます。さらに、レコードは音楽を家庭に持ち込み、録音テープは自分の好きな音楽を聴く自由を提供しました。また、ポータブルプレイヤーの出現で場所すらも自由になりました。そして、CDが生まれ、ダウンロードをすることで、音楽はより身近になりました。

 

これがビジネスモデルの変遷です。ラジオ番組は人気をなくし、レコードやCDの生産は激減しました。しかし、音楽配信サービスという新しいビジネスを生み出しました。

 

この記事ではビジネスモデルについて情報を提供し、自社のビジネスモデルを変化させればいいのかを考えます。

 

 

 

ビジネスモデルとは

ビジネスモデルというのはとても曖昧な意味として使われています。

 

この記事では、ビジネスモデルとは、事業体(会社、個人)にあるヒト、モノ、カネ、情報、テクノロジーを使って、製品やサービスを生み出し、利用者に価値を提供して対価を得ることを言います。

 

生み出す価値が大きいほど、儲けも大きくなります。

 

どうやって価値を生み出すのか、

どうやって提供するのか、

どうやって対価を回収するのか、

を具体化することがビジネスモデルの構築です。

 

価値のある事業を作るためには、社内にあるヒト、モノ、カネ、情報、テクノロジーの使い方が大切です。経営とは、社内のヒト、モノ、カネ、情報、テクノロジーの使い方だとも言えます。

 

 

 

古いビジネスモデルは、成り立たなくなる

モノを売り込んで代金を回収して儲けを出すというのは、商売原則です。しかし、同じ商売のやり方をしていると、新しいビジネスモデルの前に、全く売れなくなってしまうことがあります。

 

街の書店はどんどん少なくなっています。出版不況と言われますが、最も大きな原因はビジネスモデルが古くなっているということです。

 

書店のビジネスモデルは、書店に行って、本を選んでお金を払って、本を自分のものにするというものです。

 

書店に置いていない本は買うことができません。取り寄せることはできますが、数日かかることもあり、書店に届いた段階で取りに行かなければなりません。立ち読みをすると本が汚れるので嫌がられます。また、立ち読みを繰り返されたり、長期にわかって置かれている本は変色や痛みがあるので、売れにくくなります。また、紙の本しか置いていないので、デジタル書籍を希望する人のニーズを満たすことができません。

 

一方で、Amazonはインターネットを活用することで、

・大量在庫

・検索機能

・関連本の紹介

・無料配送(当日か翌日)

・古本の販売

・デジタルデータの立ち読み

・レビューによる評価の確認

を備えているので、

・本選び

・書店に行く必要がない

・中身の確認

ができるという点で、ユーザーのニーズを満たしています。つまり、既存の書店よりもAmazonの方が提供している価値が高いので、収益が上がっているのです。

 

 

 

近い将来、店舗で本を販売するというビジネスモデルは、なくなってしまうかもしれません。

 

あなたの会社が、店舗や訪問によって商品を販売しているビジネスモデルの場合、ビジネスそのものが成り立たなくなる可能性があります。

 

 

 

最もシンプルなビジネスモデル構築法

従来のビジネスモデルが成立しないからと言って、街の本屋さんが全滅かと言いますと、ユニークなビジネスモデルが生まれています。

 

最もシンプルなビジネスモデルの構築は、社内にあるリソースを活用するということです。

 

H.I.S. が運営している「H.I.S 旅と本と珈琲とOmotesando」では、旅に関する本に特化した書店です。コンシェルジュがオススメ本を案内してくれます。店内では、コーヒーを飲むこともできます。

 

社内にあるリソースを上手に活用している事例です。

 

ヒト→世界を旅した経験のある社員

モノ→旅の特化した本

カネ→表参道という立地に出店

情報→世界の情報

テクノロジー→旅行案内、予約

 

 

コンシェルジュが本選びのサポートをしてくれるという点が他にはない強みです。

 

旅に出ても、その地域のことを完全に理解することはできません。旅に限らず、自分が住んでいる地域の情報ですら完全に理解することができません。そんな時に、本を通じて土地の理解を深めることは大きな価値提供となります。

 

このように特定の本に特化したビジネスモデルは他にはないので、Amazonの脅威に対抗できます。

 

他には、

 

カストリ書房は、遊廓・赤線・歓楽街といった遊里史に関する文献資料を専門に販売する書店です。全国からマニアが来店しています。もちろん、インターネット通販もやっています。

 

 

食に特化した本をセレクトしている書店もあります。現在は書籍販売をしておらず、イベントに特化しています。これもビジネスモデルの転換だと言えます。

 

COOK COOP BOOK

http://cookcoop.com

 

 

 

書店によっては、店舗スペースの都合で真似ができないことは理解しています。

 

「うちには特別な社員もいない」という書店の場合、店長のキャラクターで独自性を打ち出している書店もあります。

 

読書のすすめ

http://dokusume.com/modules/store/

 

 

 

店長の清水さんが本から学んだ知識を提供し、清水さんのおすすめ本が書店で売れています。サイン会や講演会の開催など、他でも変える本を清水さんから買いたいという読者が顧客となっています。

 

このように書店の新しいビジネスモデルは、

 

・インターネットを活用している

・特化する→コミュニティを作る

・カフェなどを併設

・イベントの実施

 

という共通点があります。販売点数では、大型書店やAmazonにはかなわないので、取り扱う本を減らしてでも独自性を打ち出すべきでしょう。

 

 

 

ライバルは異業種からやってくる

ビジネスモデルの変化は、同業界から生まれるとは限りません。全く異業種から参入してくることもあります。

 

例えば、不動産。従来の不動産は店舗を出して、店舗で物件を紹介するビジネスモデルでした。物件の張り紙を出すことで店の前を歩いている人の足を止める。不動産のお店は立地が重要だったのです。

 

しかし、インターネットで物件を紹介するようになってから、お店に来る前にお客は好みの物件を検索します。そして、紹介しているお店に足を運びます。お店の地図はインターネットに紹介されているので、立地のいい場所にある必要はありません。

 

さらに、不動産会社から物件情報を集めるポータルサイトの運営する企業が出てきます。取り扱う物件数が全く違うので、不動産会社は自社でお客を集めるビジネスモデルから、ポータルサイト内で自社物件を見つけてもらう方法に精通するというビジネスモデルに変化しています。店頭に来たお客にセールスをするよりも、室内の写真撮影の技術や動画の配信が営業スキルになっているとも言えます。

 

こうした状況において、書店と同じく独自性を打ち出している不動産会社は収益を上げています。

 

株式会社 Modern Standardは高級マンションに特化したサイトを展開しています。

 

https://www.m-standard.co.jp

 

 

廃れていくビジネスモデルは、ある程度予想ができます。商品をお客が検索しているかどうかがポイントになります。検索をしているのにインターネットに注力をしてない場合、確実に他社に仕事を奪われます。

 

ユーザーが検索しているのに店舗で営業をしているのは、廃れたビジネスモデルを継続していると言えます。

 

逆にどこで売っているのかわからない商材は、全国や世界からお客を集めることができます。

通販での購入が難しいという商材はインターネットで店舗を探してもらうことができれば勝つことができます。

 

例えば、高級時計の修理が考えられます。修理やオーバーホールは、メーカーに依頼することが最も安心です。しかし、メーカーだと費用が高いと感じる場合、修理ができるお店を探します。ホームページに顧客のレビューが掲載されていると、信頼感が高まります。

 

ここまでの話で、これからのビジネスモデルはインターネットの活用が必須であることがわかります。インターネットの活用が不十分な企業は、すぐにでもインターネットの活用について考えることをおすすめします。

 

 

 

まとめ

この記事では、ビジネスモデルとはなにかということをお話ししています。古いビジネスモデルを続けていると、インターネットを活用した新しいビジネスモデルの企業にシェアを奪われてしまいます。

自社のビジネスモデルを見直し、価値を生み出し、届ける仕組みを考えてください。

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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