チラシの反応率は何パーセントが妥当なのか?

 

 

「チラシの反応率はどのくらいか?」

 

これからチラシをやろうとしている人は疑問に思うようです。

 

一般的には、チラシの反応率は、0.01〜0.3%だと言われています。

 

しかし、この数字は目安であり、あまり意味がありません。高額なものは反応率が下がるし、金額が安いものや無料のオファーを出したものは反応が上がります。

 

チラシに限らず、広告の効果はどのくらいの収益が出たかが重要になります。その収益は業種や販売している商品やサービスによって違います。

 

とは言え、チラシの反応率は高い方がいいので、この記事では、塾の経営者さんからの質問にお答えする形で、チラシの反応率を上げる方法をお伝えします。

 

チラシの反応率の計算は

反応数÷配布数×100

です。

 

 

 

チラシは「売る」ものではない。

夏期講習の募集チラシを折り込もうと思っています。しかし、折込チラシの反応は悪いと言われています。以前に折り込んだ時も反応はほとんどありませんでした。やはり、チラシは得策ではないのでしょうか?

 

 

 

塾のように地域限定のビジネスでは、チラシはやってみないと効果がわからないというギャンブル的要素はありますね。インターネットを使う方が予算を小出しにして、反応を見ながら改善していくことができます。

 

一方で、夏期講習のように、一気に生徒を集めようと思うなら、折込チラシを配布することも有効な手段です。

 

 

どのような折込チラシを作成すればいいのでしょうか?コンサルティングをお願いします。

 

 

 

最初にお話をしておきたいことは、チラシは「売る」ツールではないということです。店舗型ビジネスの場合、

 

・不動産であれば、モデルルームに見学にきてもらう

 

・スーパーであれば店に足を運んでもらう

 

・自動車であればお店に来てもらう

 

・塾であれば教室に来てもらう

 

という具合に、お客様を「集める」ツールだということです。

 

この時に大切なことは

 

フロントエンドとバックエンドの設計ができているかどうかです。

 

 

フロントは赤字でもバックエンドで利益が出ればいいのです。

 

こうした考え方をLTV(顧客生涯価値)と言います。

 

 

LTVの計算方法は、

 

リード(集客)→コンバージョン(成約)→買ってもらう回数

 

で計算します。

 

LTVに関する考え方は、1回で販売する業種とリピートがある業種で違います。

例えば、マンションの場合、住居用には、基本的には1部屋しか買いません。

 

ですから、

50,000枚のチラシを撒いて、5人が見学に来たとします(リード)。

チラシの費用が30万円かかっていたとしたら、リードコストは6万円です。

そのうち、1名が契約をしたら、コンバージョン率は20%となり、LTVは3000万円です。

 

30万円投資して(モデルルームや営業マンの人件費は除く)、3000万円の売り上げが上がるのであれば、チラシの反応率は、0.01%(10000枚に1名)でも、十分に効果があると言えます。

 

塾の場合、

チラシに30万円投資して、マンションと同じように5名が体験会に来てくれたとします。そのうち、一人が入塾をして、月額15,000円だとします。1年間通ってくれても、売上18万円ですから、赤字です。一方で、反応率が0.3%なら、50,000枚で150人のリードを獲得できたことになるので、大成功です。

 

リード

コンバージョン

LTV

の計算をしてみます。

 

月額15,000円で1年間通うとしたら、売上は年間18万円。予算が30万円だとしたら、2名の契約を取れば1年間で利益が出ることになります。

 

しかし、そんなに長いレンジで見ることができない場合は、夏期講習だけで収益を考えます。

 

・夏期講習の一人当たりの金額は?

・何名の入塾を目標にするのか?

 

例えば、一人10万円だとして、5名の新規生徒を集めると仮定します。売上は50万円です。

 

・コンバージョン率はどうか?

 

3人に一人は入塾すると仮定して、

 

リードは15名獲得する必要があります。

 

すると、50,000枚チラシを撒いた場合、0.03%となりますね。このラインを最低目標にするということです。この数字は、これからの指標になるので覚えておいてください。

 

10人集めたいと思うなら、リードを2倍にするか、コンバージョン率を上げるかとなります。チラシの工夫と体験会からの入塾率を上げる方法を考えるといいですね。

 

ここでようやく目安となるチラシの反応率が出てきましたね。折込チラシで利益が出るなら、どんどんやればいいことになります。

 

 

 

チラシの反応率が悪い4つの理由

昨今、折込チラシは反応が悪いと言われています。しかし、工夫次第で、反応率は上げることができると思います。ここからは、チラシの反応率が悪い理由について考えます。

 

見込み客がチラシに反応しない理由は、

 

 

1:必要ない

 

2:お金がない

 

3:気づかない

 

4:信用できない

 

という4点です。

 

まず、必要のない人に必要性を感じてもらうのは、とても難しいので、こうした方はお客にはなり得ません。

 

学校に通っている子どもがいない人は塾のチラシに反応しません。

また、教育にかけるお金がない人に売ることもできません。

 

実際は、お金がないということはないのですが(お金がないと言っている人も車を持っていますし)、その商品やサービスに支払うお金がないと思っているので、こうした考えを変えることも簡単ではありません。

 

私たちができることは、商品やサービスを必要としている人に、

 

・気づいてもらう

・信用してもらう

 

ということです。

 

以上から、チラシの反応率が悪い理由は、

 

・欲しい人が少ないエリアにチラシを撒いている

・気づかれていない

・信用されていない

・ライバルにお客さんをさらわれている

 

と考えることができます。

 

ここからは、こうした点を改善していく方法を考えます。

 

 

 

反応率が悪いチラシ改善する5つの方法

チラシを撒いて、反応が0だった場合は、枚数を増やしてテストをするか、コンセプトから再作成をする必要があります。しかし、少しでも反応があるなら、全くダメではないので、改善策を取り入れる方が反応率は上がりやすくなります。

 

では、改善策を考えてみます。

 

 

 

改善策1:誰のためのチラシなのかを明確にする

改めて、ターゲットを明確にします。誰もためのチラシなのかを明確にするということは、誰のためのチラシでないかを明確にするということです。

 

お客さんを明確にするためにペルソナを設定します。ペルソナとは、「典型的な顧客」のことを言います。

 

チラシに気づいてもらうためには、「誰に向けたチラシなのか」ということを明確にする方法があります。

 

非常にシンプルな方法としては、「〜の方へ」と呼びかけるということです。

コンバージョン率を上げるためには、リード獲得の段階で、顧客を絞り込むという方法も有効です。

 

どんな生徒に来て欲しいのかを明確にします。

 

 

 

改善策2:チラシを目立たせる

次の改善策は、気づいてもらえるかということです。

 

見込み客に気づいてもらおうとすると、色んなことを言いたくなります。結果、どうなるとかいうと、文字が多くなり、逆に見にくくなるのです。

 

ネームバリューがない小さな会社ほど、大手に負けまいと思って、たくさんのメッセージを言いたくなります。

 

しかし、よく考えてほしいいのですが、何かを買う時に、セールスマンに長い時間説得されて飼った経験があるでしょうか?

 

例えば、女性が宝石を買う場合、

 

「この宝石はどこで取れて、何カラットで、輝きは・・・・」

 

という説明よりも、

 

「あなたにぴったりの宝石ですね。よくお似合いです。」

 

という話の方が買う気になるはずです。

 

つまり、メッセージは、

 

多くを語る<短く相手に刺さる言葉を語る

 

ということであり、デザインがメッセージを伝えるものだとしたら、シンプルな方がいいということになります。

実際、大手企業のチラシはシンプルです。

 

 

派手なデザインで目立たせることもできますが、言いたいことがはっきりわかります。

 

 

大手企業で知名度があるから多くを語る必要がないと考えるのは正しいとは言えません。大手は大手同士の競争に晒されているのです。そんな中で、大量の広告予算を投じて効果を検証したチラシと作成していると考えると、チラシはシンプルな方が効果的だと言えます。

 

 

 

改善策3:キャッチコピーは見込み客に届いているか?

あなたが届けたいメッセージは、キャッチコピーに集約されます。

 

キャッチコピーの作り方は、様々な方法が提唱されていますが、チラシの場合、「ニュースになっているかどうか」という点が大きなポイントになります。

 

塾のチラシの場合、

 

「夏期講習受付中」

 

よりも、

 

「夏期講習が無料」

 

「昨年、●●高校に●名合格した 伝説の夏期講習が無料」

 

という方がニュース性は高くなります。

 

最近では、「ご招待授業」と言い換えている塾もありますね。

 

くれぐれも、生徒と保護者が知りたいことをチラシに入れるようにしてください。

 

「志望校は変えない、君が変わる夏」

「ドンピシャな夏」

「やる気があるなら、今からやろう」

 

というようなキャッチコピーのチラシを見かけますが、生徒と保護者が知りたいのは、

・自分たちの成績が上がるかどうか

・費用はどうか(特に保護者は)

ということなので、独りよがりにならないように注意したいですね。

 

こちらのチラシは秀逸だと思います。

 

 

 

 

 

改善策4:オファーを強くする

チラシの反応率が悪い理由に、オファーが弱いということが考えられます。

 

大手塾のどんどんオファーを強くしています。

 

 

塾の場合、「入会金無料」「体験授業が無料」というのはどこでもやっているので、「体験授業+個別カウンセリング」とするなどが考えられます。体験授業の後に入塾説明をするのですから、言い方を変えてオファーを強くするのです。

 

 

 

改善策5:証拠を示す

チラシに気づいてもらって、メッセージを伝えても、見込み客に「信じてもらう」というハードルがあります。

 

証拠を示す最も有効な方法は、「お客様の声」を掲載するということです。

 

お客様の声を最も上手に活用しているのは、Amazonです。通販で買い物をする場合は、実物を見ることができません。そこで、チェックするのがレビュー(お客様の声)ではないでしょうか?

 

お店がどんなにアピールをしても、広告だからと見込み客は信じません。実際、レビューの点数が低い商品は売れず、点数が高い商品はどんどん売れて行きます。

 

お客様の声は、とても大きな説得力を持つのです。

授業の内容よりも生徒の声が有効です。

 

 

 

他に、実績を紹介する方法は、

 

数字を出す

合格人数

取材歴

書籍

などがあります。ラーメン屋さんでも、雑誌の取材記事が貼ってあると、有名なのかな?と思いますよね。

 

さらに、文字ではなく、画像化することでより見やすくすることもできます。こうしたデザインを「インフォグラフィック」と言います。

 

 

 

 

まとめ

この記事では、チラシの反応率についての考え方とチラシの反応率を上げる改善策について考えました。

パーセントを気にするのではなく、最終的な売上からリードとコンバージョンを計算してチラシを作成してください。

 

あなたのチラシの反応率が上がることをお祈りしています。

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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