部下の教育に悩む上司が信頼関係を築く14の方法

 

 

 

上司の悩みに「部下の能力が向上しない」「部下が言うことを聞かない」というものがあります。ふたつとも「部下教育」「部下指導」とくくられますが、教育や指導の手順が違います。

 

「能力が向上しない」ことの解決策は、文字通り、能力を向上させるということになります。野球でいえば、ヒットを打てるようにすることであり、打率を上げることで能力が向上した証拠となります。

 

能力を向上させるために必要なことが、指導を受け入れてくれる関係を作るということです。

 

部下の教育は、

「指導を受け入れてくれる関係づくり」→「能力向上のための具体的アドバイス」の順に行う必要があるのです。

 

仕事の能力は急には上がりません。しかし、信頼関係を作ることはそれほど時間を必要としません。

ここでは部下の教育に悩んでいる上司にやっていただきたい部下との信頼関係を築く14の方法についてお話しします。

 

 

 

 

あなたの部下が教育をしにくい理由

なぜあなたの部下は教育をしにくいと思うのでしょうか?まずは、関係性の問題があります。

 

現在の部下との関係は?

部下の教育を考える前に、あなたが指導者としてどうなのか?ということを考える必要があります。部下は上司が思っているよりも、上司を見ています。特に、「あんな風になりたくない」と見られている上司は、どんなことを言っても部下の心をつかむことは出来ません。

まずは、あなたが仕事ができる上司であることが前提です。プレーヤーとして尊敬できてこそ、部下はあなたのアドバイスを受け入れるのです。

 

しかし、名選手でない名コーチはいます。あなたが一流プレーヤーでなくても、名コーチであれば部下はアドバイスを聞き入れます。

 

プロ野球の伝説の打撃コーチと言われる高畠導宏さんという人物がいます。高畠さんは選手としては目覚ましい活躍はしていません。しかし、数多くのスター選手を生み出しました。彼らも「高畠さんのおかげ」と著書やインタビューで語っています。

 

高畠さんは「コーチの仕事は教えないこと」だと言っていたそうです。教えないというのは、「その選手の強みを活かす」「教えるのではなく気づきを促す」ということではないかと思います。あなたがスター選手でない場合、部下への理解と強みをサポートすることが名コーチへの道につながるのです。

 

 

あなたの意識を部下は投影している

「鏡の法則」というものがあります。嫌いな人は、実は自分の嫌いなところを投影しているという心理法則です。目の前の相手の反応は、自分の投影でもあるということです。

 

あなたが苦手意識を持っているとしたら、相手はあなたの弱い部分を投影しています。あなたが部下を嫌いなら、あなたはあなたの嫌いな部分を部下に投影しています。もちろん、部下も自分の嫌いな部分をあなたに投影し、あなたが嫌いです。

まずは自分を内省しましょう。

 

 

仕事で信頼関係を築く6つの方法

 

1:一目置かれる仕事をする

部下の教育をするためには、部下の教育に足る人物であることを示さなければなりません。ですから、成果を出していることがポイントです。もし、成果を出していないなら、まずは部下に認められる成果を出す。一般的には、部下に成果を求めがちですが、順番が逆です。個人で成果を出す能力がないなら、仕事がうまくいく理論を持ち、チームでの成果でも構いません。その際は、自分が踏み台になって部下をかばう心構えが必要でしょう。

 

 

2:叱っても怒らない

部下の教育に限らず、ビジネスでうまくいくコツは、「頭のいい人が冷静でいる」ということです。頭のいい人でも感情的になるとばかな判断をしてしまいます。

部下との話では、感情的にならないように注意してください。叱ることはあっても怒る必要はありません。ですから、怒鳴ることは仕事の現場ではなくても良いのです。

 

 

3:考え方を示す

自分の方針を示すということです。自分はこういう考えで仕事をしているということを部下に伝えます。仮に、クビにならないために、上司のいいなりになることを決めているなら、はっきりをいう方がいいです。格好をつけても部下には見破られています。

 

 

4:勝ち癖をつける

ギャンブルで30ドル勝った人に、50%の確率で9ドルがもらえて、50%の確率で9ドル失うかもしれない賭けをするかと聞いた場合、約70%が賭けに参加するというデータがあります。一方で、このデータでは、30ドル負けた人に同じ質問をすると40%に下がるそうです。

負け癖がついている人は、次も負けそうな気がするから勝負を避け、勝ち癖がついている人は勝てると思って勝負に挑みます。部下には勝ち癖をつけるようにしてください。

 

 

5:仕事を任せる

部下の能力を高める方法は、難しい仕事にトライさせてみるということです。ですから、厳しいかなと思う仕事を任せてみましょう。

6:失敗の責任は上司が取る

難しい仕事を任せたら部下は失敗をするかもしれません。そんな時は、失敗を責めずに責任は上司が取ります。もちろん、サラリーマンという立場上、失敗の責任があなたのキャリアに影響が出る場合は、任せた仕事の報告はマメに受けておくようにしてください。

 

 

 

人間性で信頼される7つの方法

 

1:腹を割って話す時間を作る

部下が何を考えているのかを、あなたが頭の中で考えても正解にはたどり着きません。部下の考えていることは部下に聞くことをおすすめします。その際、策を弄する必要はありません。

あなたが気になっている点をそのまま聞けばいいのです。

「自分の仕事ぶりについてどう見ているのか?」

「将来どうなりたいのか?」

「俺のことをどう思っているのか?」

その後に、あなたがしてほしいことを話します。話は「youメッセージ」ではなく、「iメッセージ」を用います。

 

例えば、「もっと仕事をしてほしい」ということを伝えたい場合、

→「you」メッセージ・・・ 「だから、君は評価されないんだ。」

→「I」メッセージ・・・ 「私は君がもっと仕事ができる社員だと思っているのだけど、力を出し切っていないように見える。」

 

部下に話す時は、主語を「君」から「私」にするとよいでしょう。

もちろん、あなたの本音を言う必要はありません。「本音では仕事ができない奴」と思っていても、目的は部下に仕事をしてもらうことだからです。

 

 

2:自己開示をする

相手の心を開かせるためには、自分のことを話す「自己開示」が有効になります。例えば、「新人時代、こんなにダメだった」と言えば、部下はあなたに親近感を抱くようになります。ただし、相手の本音を引き出すために自己開示は、すでに乗り越えた苦労を話すことがポイントです。今の不満や弱音を吐いてはいけません。部下に共感されても、同類だと見られてしまいます。

 

 

3:希望を与える

将来に希望がないと人はやる気になりません。がんばることでどんな未来が待っているのかをイメージさせることが大切です。そのためには、あなた自身が自分の未来について希望を持つことが大切です。

新入社員が夢を語っている現場にある50代の管理職が入ってきました。そして、

「夢があるのはお前たちだけではない。俺たちロートルにも夢があるんだ!」と宣言した上司がいたと聞きます。もちろん、彼は部下の信頼を得ました。

 

 

4:肯定的に話を聞く

部下の話を口を挟まずに聞いてあげることです。傾聴とも言います。部下が稚拙なことを言っても、まずは「なるほど」と言って否定しないことです。部下が言い終えるまで話を聞く。そして、「君の考えはよくわかった」と肯定してから自分の話をするようにしましょう。

 

 

5:部下を褒める

褒められて嬉しくない人はいません。欠点を見るのではなく、長所を見る習慣づけをしましょう。部下を叱る際は、2倍褒めることを意識してください。

 

 

6:差別はしない

最も尊敬されない上司は、人によって態度を変える人だそうです。誰にでも同じ態度でいることはその人の人間性を高めます。

 

 

7:感謝をする

人が一人でできることは限られています。部下がいてあなたの仕事が成り立っていることは間違いありません。部下とて、必ずしもあなたの部下になりたくてそこにいるわけではないかもしれません。それでも、毎日会社に来てくれているのです。部下には感謝をしましょう。たまにでも「ありがとう」ということで信頼関係が生まれます。

 

番外

見切る(ことも必要)

あなたがどんなに信頼関係を築こうとしても、分かり合えない部下はいます。また、やる気のない部下もいます。そんな時は、見切っても構いません。あなたが部下の犠牲になることはないのです。

 

まとめ

この記事では、部下の指導法について考えてきました。指導者として大切なことは、上司自身が自分を見つめ直すということです。自分を律し、部下のことを考えている上司は必ず部下から信頼されます。信頼されれば、部下はあなたのアドバイスを素直に聞いてくれるようになります。

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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