【社長の右腕】の3つの役割と適任の人材の選び方

 

 

 

会社を成長させようと思うなら、社長が現場の仕事に関わる時間を減らしたいものです。しかし、社長が現場に関わらないとしたら、他の人が現場を仕切らないといけません。

 

そこで、社長の右腕となるナンバー2の存在が必要になります。

 

しかし、社内を見渡しても、ズバリ、自分の右腕!という人物はいない。

 

社長の右腕はどんな人が適任なのか?どのように選べばいいのか?

 

この記事では、中国地方に本社があり、社員数80名で東京と大阪に支店のある製造業の社長(50)からの相談にお答えします。

 

 

社長の右腕の役割は?

私も50歳を過ぎました。おかげさまで担当役員に現場を任せることができています。しかし、重要な判断はすべて私がしています。今後、業界での競争は厳しくなるので、頼りになる右腕が欲しいと思っていますが、どの役員も少し力不足だと感じます。外部から招聘した方がいいのか、内部で育成した方がいいのかと考えています。

 

 

最初に考えておくことは、どのようなことで右腕を頼りにしたいのかということですね。

 

社長の右腕の役割は3つあります。

 

 

1:社長のできないことをやる

 

2:社長の戦略を戦術レベルで実行する

 

3:社長の代わりに会社を動かす

 

1は、社長の知識や経験を補完する役割があります。社内なら、社長よりも経験のある社員になります。しかし、適任がいないようなら、外部から大企業の経験者を招聘することもできます。財務の場合は、金融機関の出身者が適任になります。顧問として、コンサルタントを雇うこともできます。

 

ただし、外部招聘は、メリットとデメリットがあります。

 

メリット

・優秀な人物は教育がいらない

・社内にない知識・経験が得られる

・しがらみに囚われない

 

デメリット

・経験を社員に押し付ける

・環境が整っていないと力を発揮できないことがある

・社員と軋轢を生む

・社長が考える方向性に異を唱える

 

2は、社長の考えを社内に伝達して、実行させる役割です。この場合、指示を理解して、速やかに実行するスピード感があるといいですね。すでに担当役員がいるということですが、物足りない部分があるとしたら、育成が必要ですね。

 

3が最も難しく、社長と同じレベルの責任感とスキルが必要になります。ほとんどの社長は、右腕に3の役割を期待して壁に当たっています。

 

 

知識は外部のコンサルタントを雇っているので間に合っています。現在の役員には、まずは私の指示をしっかりと実行してもらって、私がいなくても会社が回る仕組みを作りたいと考えています。

 

 

 

 

社長の右腕選びのポイントは「会社をやめない人」

 

現在の役員にどのようなことを感じていますか?

 

 

 

 

 

右腕候補は2名います。一人は、実行力はあるのですが、私への忠誠心が薄いと感じます。もう一人は、忠誠心はあるのですが、やさしくて現場に強く言えないので、実行が遅いと感じています。

 

 

 

候補者A:営業担当

行動力があり、売上を作ることができる。発想力があり、新しいことを実行するが失敗も多い。社長への忠誠心が低い。

 

候補者B:製造担当

私への忠誠心はあるが、やさしいため、現場に強くモノが言えない。固い仕事をするが、冒険はしない。

 

足して割ればいいのでしょうが、そうも行きません。

 

事情はわかりました。社長の右腕にする人物に絶対的に必要な条件は、会社をやめない人であるということです。もちろん、役員になったので安泰で、他に行っても条件が落ちると考えている人は適任ではありません。

 

会社をやめないという前提で、社長の右腕に求められるのは、マインドとスキルです。社長の右腕は社長と一蓮托生なので、スキルよりもマインドが大切です。

 

マインドを見極める方法としては、

 

・社長の意見を否定しない

・表裏がない

・現場を動かすことができる

・責任感がある

・率先して売上を作る意欲がある(新製品を考案する意欲がある)

 

逆に見送ったほうがいい人物としては、

 

・社長の意向に従わない

・社員にいい顔をする

・自分の報酬を気にする

・経験をひけらかす

・言い訳をする

 

ということになります。

 

マインドは、役員になった人に、後から育成するのはほぼ不可能です。すでに持っている人でないと右腕だと思った役員に足元を救われるかもしれません。

 

 

マインドなら、候補者Bがよさそうなのですが、仕事をこなすことはできても、新しい仕事を生み出せるスキルがあるとは思えません。その場合は、常に私が指示をしなければなりませんね。

 

 

 

 

 

だから社長の右腕は社長が育成しなければならないのです。

 

 

 

 

 

 

イエスマンを社長の右腕にすると社長が裸の王様になる

社長の右腕を育成するに当たって注意することがあります。それは、責任感のないイエスマンを抜擢しないということです。社長の右腕は、社長の方針に従うことが大切ですが、なんでもイエスという人も適任ではありません。

 

中小企業の役員は、経営者というよりもサラリーマン意識が強いので、トップダウンの社長には、話がしにくいと感じています。方針に疑問があっても本音を言いません。ですから、社員に「社長が言っているから」と当事者意識なく指示をしていることがあります。社員と一緒になって社長への不満を言っているので、こうした人物を社長の右腕にした場合、社長は裸の王様になってしまいます。役員の意識についてはこちらの記事に書きましたので、参考にしてくださいワンマン社長の7つの特徴と2つの付き合い方」

 

 

社長が裸の王様になるのは仕方がないのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

それがわかっているならとても優秀な経営者だと言えます。一方で、社長と役員含むその他社員という構図は変わらないので、右腕の育成はできなくなります。

 

 

 

 

 

 

では、どのようにすればいいのでしょう?

 

 

 

 

 

権限と責任を与えてチャレンジさせる

社長の右腕になる人物は、マインドとスキルだと言いました。マインドとは、社長への忠誠心と共に責任感も含まれます。ですから、権限と責任を与えて、チャレンジさせてみるのです。

 

 

 

 

例えば、どんなチャレンジが有効ですか?

 

 

 

 

 

現在の仕事の延長でないプロジェクトです。

 

・新製品の開発

・新サービスの開発

・新規開拓

・インターネットを使った集客

 

など。社長がこれからやってみたいと考えているプロジェクトを任せてみるのです。候補が複数いる場合は、それぞれにプロジェクトを任せてみてください。

 

プロジェクトは必ず、3ヶ月、半年などの期限を切ることが大切です。

 

もちろん、投げっぱなしではなく、進捗の報告と相談には乗ってください。実は、ここがポイントで、相談の仕方に言い訳や指示待ちなど、その人のスキルが見えます。

 

社長を支える右腕なのか、

社長の指示を伝えるだけなのか、

 

はっきりと見えると思います。

 

プロジェクトが成功すればいいですが、ポイントになるのは、責任感です。失敗しても責任を追う覚悟のある役員には、スキルを教育すればスキルは上がってきます。こうしてトライアンドエラーで、社長の右腕は育成されるのです。

 

 

 

意外なところから社長の右腕が出てくる

社長の右腕を育成する時は、現在の候補者以外にも目を向けておく方がよいと思います。よくあるのが、社長の意向を勝手に忖度して、社員からの意見を封じている役員がいる場合です。こうした場合、優秀な社員が闇に埋れてしまうことがあります。

 

身近な人物だけでなく、チャンスを与えて行くと、既定路線以外から右腕候補が出てくることがあります。

 

 

 

まとめ

この記事では、社長の右腕の3つの役割と選び方についてお話をしました。

 

・社長の右腕にどんな役割を期待するのか

・右腕に求めるマインドとスキルは?

・裸の王様にならない注意点

・右腕を見極める仕事の任せ方

 

既定路線で安易に決めてしまわずに、信頼できる社長の右腕を育成してください。

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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