なぜ、うちの会社では人が育たないのか?
そんなことを考えたことはありませんか?
人が育たない会社は、社員ではなく、会社の教育に問題があります。
大企業ほど優秀な人材を採用することができ、教育研修の仕組みがあります。一方で中小企業は、人材、資金共に余裕がないため、いきなりOJTを開始します。OJTが機能していればいいのですが、「見て覚えろ」では社員が育たないのは当たり前です。
この記事では、中小企業のOJTで社員が育たない10の理由を紹介します。
目次
OJTで社員が育たない10の理由
1:目的が明確ではない
そもそもOJTという意識がなく、一人前で仕事ができるように指名された先輩が教育係になるケースです。
上司も教育係も目的を共有していないので、飲み込みが早い社員を優秀、遅い社員をできが悪いとすぐに振り分けてしまいます。
結局のところ、先輩の仕事をマネて、上手にできるかできないかが教育の成果にしかなりません。
2:上司が忙しい
プレーイングマネージャーの上司は自分が忙しいので、新入社員に構っていられないというケースです。
こうした場合、目的を告げない同行や時間潰しのようなお題を出して1日が終わってしまうので、優秀な社員ほど物足りなさを感じます。ひどい場合は、数日で辞めてしまいますが、社員に問題があるのでなく、受け入れ側の問題が大きいと言えます。
3:見て覚えるという常識
昔は「見て覚えろ」でよかったと思います。見て覚えろが通用したのは、仕事のスピードが遅かったからです。外出中は電話がかかりませんし、お客様への返答にも余裕がありました。システムが進んでいない時代では、納期にも余裕がありました。上司が戻らない場合は明日の確認でもよかったですが、今は違います。
スマホ、SNSなどで仕事のスピードが格段に上がっています。また、メールが一般的になってから人と会うコミュにケーションの機会が少なくなっています。こうした中で、「見て覚えろ」と言っても、見る機会が少ないので社員はオ覚えることができません。
4:作業しか教えていない
仕事とは、相手の役に立ち、新しい仕事を生み出して行くことで成長の機会を得るものです。しかし、ほとんどの中小企業では、仕事ではなく、作業の手順を教えているだけ。
教えられている方は、「どうすればいいか」はわかりますが、「なんのために」「どうなるのか」を教えないので、作業者しか育ちません。
応用力のない社員が増えているとしたら、作業の手順を教えているだけの教育に問題があります。
5:逆マインドセット
部下は、いいことはマネないですが、悪いことはすぐにマネます。営業の先輩が仕事中にカフェで会社の悪口を言おうものなら、部下に大きな影響を与えます。
サボっている姿を見せた以上に、部下はサボるようになります。このようにOJTの最中に逆マインドセットをしているケースは少なくありません。
6:上司の顔色を伺う上司
上司に頭が上がらない上司や先輩は、若手社員を失望させます。自分に厳しく、上司の弱い上司は部下を指導することはできません。自分の意見をはっきり言うことができる社員にOJTは任せましょう。
7:よく怒る上司
部下は、怒りっぽい上司だと質問ができません。また、提案に理由がはっきりしないダメ出しをされると否定された気持ちになります。
8:優しくする上司
今の若い社員は扱いにくいとばかりにやさしくする上司も教育に向いているとは言えません。無関心は愛情ではないのです。
9:頭を押さえる上司
仕事ができそうな新人には危機感を覚えると、部下や後輩の成果を認めない上司がいます。成果を出したら褒めればいいのですが、「大したことはない」と言われると部下はやる気をなくします。
10:意味不明な社内ルール
意味のよくわからない社内ルールも新人のやる気を削いでしまいます。
・新入社員は先輩よりも早く出社する
・飲み会は強制参加
・宴会では、鍋が煮詰まっても、上司が話している時に箸をつけてはいけない。
こうした理不尽さを普通にことだと思い始めると、新人から斬新な発想は生まれません。
まとめ
これからの経営は人材が勝負の鍵となります。優秀な人材をどれだけ多く確保できるのかが成長に影響します。
しかし、せっかく採用した社員は育たないのでは、会社にとってマイナスです。
OJTを実施している企業では、この記事のように失敗しないようにしていただきたいものです。