マネージャーの仕事とは?マネージャーがやってしまう11の間違い

 

マネージャーの仕事とは?

 

 

「部下を持ったらマネジメント能力を高めないといけない。」

 

そんなことを感じているマネージャーも多いのではないでしょうか?

 

マネジメントについて書かれた本はたくさんあります。そうした本の中で混同しやすいのが、マネジメントとリーダーシップです。マネジメントが人を扱う以上、人間への理解は必要です。しかし、優れたマネージャーにとってリーダーシップは必須条件ではありません。マネージャーの役割は目標の設定と達成です。

 

人にやさしい人ほど、リーダーシップを発揮しようとして、自分を苦しめるようなマネジメントをしてしまうことがあります。この記事では、部下を思いやるマネージャーが陥りやすい11の間違いについて解説します。

 

 

 

マネージャーの役割とは?

マネージャーとは、辞書的な意味だと、マネジメントを行う人や組織のことを言います。

 

ホテルの支配人や管理者、芸能人の代わりに営業や交渉を行なう芸能事務所の支援者、または企業の管理職などがマネージャーと呼ばれます。部活動でも、マネージャーと呼ぶことがありますが、多くの場合、マネジメントではなく、選手のサポート作業をしています・

 

このようにマネージャーの定義は曖昧であり、仕事の内容も企業によって違うために、マネージャーと呼ばれつつも、マネジメントを行っていないことがあります。

 

ドラッカーは、著書「マネジメント」の中で、マネージャーの役割を

 

1:投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す

 

2:緊急の必要性と未来の必要性を融和させる

 

と定義しています。

 

つまり、マネージャーの役割とは、自分がマネジメントをする組織の成果を出し続けることになります。

 

 

 

マネージャーの階層的役割

マネジメント能力を高めようとする上で、最も大切なことは、マネジャーの役割を理解しておくということです。

 

マネージャーとして、部下を指導する役割になっても、組織の一員であることを忘れてはいけません。組織は、基本的にピラミットで構成されており、マネージャーと言っても、階層で役割は違います。

 

最初にしっかりと認識しないといけないのは、自分が組織のどの階層にいるのかということです。

 

課長は課のマネジメントが仕事です。ですから、課の成果に責任を持ちます。部長の仕事は部の成果を出すことです。ですから、部長のマネジメント対象は課長です。この点を理解せずに、部長が課員に直接指示を出すと課長の仕事を奪うことになります。こうして、マネジメントは機能しなくなります。

 

 

 

社長が社内のマネジメント機能を有効したいと考えた場合、階層による、責任と権限を明確にしておく必要があります。

 

では、ここから、部下思いのマネージャーが陥りやすい間違いについてお話しします。

 

 

1:人間的に尊敬されないといけないと思う。

 

特に性格のいいマネージャーは、部下に尊敬される存在でないといけないと思いがちです。部下に尊敬されることに越したことはありませんが、マネージャーの仕事は成果を出すことです。多くの場合、部下が尊敬をするマネージャーは、自分にとって都合のいい人です。場合によっては、厳しく管理せずに放任してくれるマネージャーを「いい人」だと評することもあります。しかし、いい人が尊敬されるとは限らず、部下の手抜きの原因となることがあります。

 

 

2:部下に期待する

 

できることなら、部下には自己管理をして目標を達成するように育って欲しいと考えるかもしれません。しかし、自己管理ができて自発的に仕事をする部下はいないと考える方が健全です。基本的に人は、最小限の努力で最大限の報酬を求める生き物なので、部下が自発的に仕事をしてくれるだろうと期待をすると、ほとんどの場合、裏切られます。部下には管理が必要なのです。

 

 

3:部下の相談に乗る

 

仕事だけでなく、部下のプライベートにも相談に乗ることがあります。部下との距離が縮まるメリットもありますが、上下関係の規律が乱れることもあります。特に、親身になりすぎると、部下はマネージャーに甘えるようになります。

 

 

4:「忙しい時に悪いね」と言ってしまう

 

部下に仕事を頼むのは当然です。ただし、部下にも仕事があるので、計画的に仕事を依頼するようにしましょう。突発的な仕事を依頼する回数が増えると、部下はマネージャーのことを段取りが悪いと思うようになります。そんな時に、「悪いね」と言ってしまうと、仕事の優先順位を部下が握るようになります。

 

 

5:感情的になってしまう

 

感情的に部下を叱咤するとパワハラと言われてしまうことがあります。部下の成長を支援したいと思うマネージャーほど、情熱的な指導をしますが、逆効果になることも少なくありません。マネージャーは感情的にならず、仕事に成果にだけフォーカスすることをおすすめします。

 

 

6:部下のモチベーションを気にしてしまう

 

元気のない部下に「何か困ったことがあるのか?」と声をかけるなど、部下のモチベーションを気にすると、部下がモチベーションによって仕事に波を作ります。気持ちに関係なく、職務を遂行させるためには、部下のモチベーションを気にする必要はありません。

 

 

7:部下の言い訳を認めてしまう

 

成果の出せない部下は、責任回避のためにあらゆる言い訳を駆使します。その中には、もっともらしい言い訳もありますが、認めてしまうと部下は毎回同じ言い訳をします。マネージャーの仕事は部下に言い訳を潰すことです。

 

 

8:些細なことで部下を褒める

 

部下を褒めすぎると、図に乗ります。特に、「褒められて伸びるタイプです。」と言うような部下で、積極的に仕事をする部下はいないと思って間違いありません。ブロとして仕事をしている部下は、些細なことで褒められても喜びません。むしろ、自分を低く見ているのではないかと思っているかもしれません。

 

 

9:部下に好かれることを人間力と思ってしまう

 

部下に好かれることが人間力と勘違いするかもしれませんが、部下は厳しいことを言わないのでナメていることも少なくありません。マネージャーの仕事は部下に好かれることではなく、成果を出すことです。

 

 

10:責任と権限を逸脱する

 

部長が課長を飛び越えて、課員に指示を出すと課長の仕事がなくなります。特に、課長の指示と違うことを言った場合、課長のメンツが潰れます。また、課長が部長を飛び越えて、役員や社長に指示を仰ぐ場合も、部長のメンツが潰れます。組織に階層があるのは、それぞれの階層で役割があるからです。自分に与えられた責任と権限を遵守するようにしましょう。

 

 

11:トップの方針を批判する

 

マネージャーは組織の一員である以上、トップの方針に従うことが大前提です。自分の考えと違っていたとしても、部下に対して、上司やトップの批判をすると、組織が瓦解します。方針に異議がある場合は、その都度直属の上司に確認をすることをおすすめします。もちろん、中には事なかれ主義の上司もいます。この場合は、上司を飛び越えることもやむを得ません。リスクを覚悟で、組織の課題をトップに高談判することもマネージャーの仕事になります。

 

 

まとめ

この記事では、マネージャーの仕事とマネージャーが陥りやすい11の間違いについてお話をしました。マネージャーの仕事とは、求められる成果を出すことです。部下と仲良くすることではありません。

 

自分の階層的な役割を理解して、成果を出すためにマネジメントを実行してください。

 

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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