裁量労働の問題とは何か?4つの問題と対処法

 

 

裁量労働について、議論になることがあります。

中小企業を専門にコンサルティングをしている立場としては、大企業の話だなと感じます。

 

実際、ほとんどの中小企業は、工場作業を除けばすでに裁量労働になっています。問題は、裁量労働をしていたことに気づいて不満を言い出す社員が増えることです。

 

経営者と従業員は裁量労働に関して、どのように考えればいいのか。どうすれば楽しく仕事ができるのかについてコンサルタントの立場から考えてみます。

 

 

そもそも裁量労働の何が問題か?

裁量労働の問題は、高度プロフェショナルに該当する人の負担が大きくなるのではないかということだと思います。

 

労働時間規制から除外される高度プロフェッショナル制度においては、企業側に労働時間の把握義務がなくなるので、長時間労働による過労死の件数が増える可能性が高い。そして、時間の把握ができないので、過労死の労災認定が困難になると予想される。

 

では、働き方改革に従って、労働時間を削減した場合はどうなるのか?一人当たりの仕事量が減ると仮定すれば、社員数を増やすか、アウトソーシングをする必要が出てきます。つまり、人件費を含めたコストアップが予想されます。

 

経営者としては、コストアップは避けたいもの。そこで、打ち出されたのが、高度プロフェッショナル制度(例外措置)です。

 

経営者は賛成し、労働者は反対する。当たり前の構図が紛糾している理由は、ざっと次のようになるでしょう。

 

 

働き方改革を打ち出した

残業時間の削減

仕事時間が減ると困る経済界の意向

裁量労働案が出される

野党が反対

労働時間計算のデータミス

過労死事故の報道

https://www.asahi.com/articles/ASL9V7L2LL9VULFA02B.html

裁量労働をやめる大企業が出てきた

 

 

で、どうするのか?という問題です。ですが、すでに可決されたので、導入されることになります。

 

 

ここから先は経営者の考え

高度プロフェショナル制度を取り入れるかどうかは、経営者の裁量なので、自社でどうするのかは経営者の判断によります。

 

裁量労働の主な問題点は次のようになります

 

1:当てはまらない職種

 

営業マンや印刷会社の顧客窓口などは、顧客に合わせた対応をすると、時間が遅くなりがちです。しかし、顧客からの連絡を待っている間は仕事がない場合もあり、その時間を残業時間と見なすのも釈然としません。

 

2:みなし時間と実際労働時間がかけ離れている

 

実際の労働時間がみなし時間とかけ離れているのは、すでに中小企業で発生している問題と思います。残業代が支払われる職種と比較して不公平感が出る可能性があります。

 

3:時間は自由でも仕事量は減らない

 

仕事時間に裁量が生まれても、仕事自体は選べないとすると、結局のところ長時間仕事をしなければなりません。

 

4:出勤時間に関する慣習

 

出勤時間が自由になっても、午後からの出勤や早退をすることが、社内の慣習に合わない場合、雰囲気が悪くなります。

 

 

 

 

フリーランスは一人ブラック企業

当社のように、プロジェクトごとにフリーランスを集めて仕事をする場合は、まさに裁量労働となります。どれだけ仕事をしても誰も咎めたりしません。好きなだけ仕事ができます。疲れたら休んでもいいですし、昼寝もできます。

 

しかし、過労死をしても何の保証もなく、ただ、「仕事のしすぎで体を壊した人」と言われるだけです。

 

それでもフリーランスを選んでいるのは、仕事が楽しいから(正確には嫌な仕事もありますが、概ね楽しいから)であり、頑張った分がお金になって返ってくるからです。

 

逆に仕事がなくなれば、お金が入って来ず、恐ろしいことになります。つまり、働く気満々の失業者です。もちろん、失業保険はもらえません。

 

楽しい

恐ろしい

お金が欲しい

 

ということで、フリーランスは一人ブラックになりがちですが、あまり文句を言っている人はいません。

 

 

 

高度プロフェッショナル制度をどう考えればいいのか

中小企業の場合、まずは仕事を楽しくできる仕組みを作ることが第一です。ついで、どんなに仕事が楽しくても、疲れたらギブアップありというセーフティネットを引いておくことも忘れないでください。

 

 

社員の生産性を上げる方法は、社員をフリーランスのようにするということです。

 

とは言え、サラリーマンに慣れた人がいきなりフリーランスと言われると不安になるでしょう。

 

そこでサイボウズの給料の決め方が参考になります。

 

社内評価✖️社外評価

 

仕事のスタイル

会社で仕事をする、

つまり、転職したらいくらもらえるか?

 

など、サラリーマンではあるもののフラーランスに近い給与体系になっています。

 

 

 

詳しくはこちらの記事を

「社内評価だけで給料を決めるのをやめたら、多様な働き方が実現できた」

 

最も素晴らしい制度ではないかと思います。

 

 

 

 

まとめ

この記事では、裁量労働についての問題点を経営者が判断をする指標について、私の考えを書きました。裁量労働を取り入れるかどうかは経営者の考えです。経営者ができることは社員任せにしないことだと思います。

 

労働時間を管理し、社員のストレスをなくす努力をする。

 

最終的に、

・社員が文句を言わず、

・会社を辞めずに

・一生懸命に仕事をする

 

という会社を作ることができればいいのです。

 

意識改革をしようとするのではなく、意識を変えていく仕組みが大切です。

 

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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

 

 

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